米InktomiはWeb配信性能を高めるデスクトップ・パソコン向けソフトウエア・スイート「Personal Edge」を米国時間2月27日に発表した。

 米eTesting Labsがテストを行ったところ,Personal EdgeでWebページの配信速度が30%以上高まったという。「Webパフォーマンスは,消費者がISPを選ぶ際の最も重要な判断材料である。Personal Edgeにより,サービス・プロバイダはより効果的に顧客を確保し,収益性を上げることができる」(Inktomi社)

 ちなみに米Keynote Systemsの調査によると,ダイヤルアップ接続から消費者向け上位40サイトへのアクセスにかかる時間は平均21秒以上で,1999年と比べて7秒延びている。Webパフォーマンスの問題はダイヤルアップ接続の場合にとどまらない。広帯域接続でも加入者が過剰に増えれば速度が落ちる。Personal Edgeは,「ダイヤルアップ,広帯域,衛星,そして企業の‘最終端末への配信’における障害を克服する」(Inktomi社)としている。

 Personal Edgeはネットワークのエッジとデスクトップ・パソコンをつなぐ配信‘パイプ’の両端を最適化し,より高速で効率的にWebコンテンツを配信する。デスクトップ・パソコンのキャッシング機能と圧縮技術を組み合わせる。

 Personal Edgeの主な構成コンポーネントは以下の通り。

・「Personal Edge Agent」:Webブラウザとともに動作し,静的および動的Webページ配信を加速化する。デスクトップ・パソコンで,ネットワーク上のInktomi社製「Traffic Server」と連携したキャッシングを行う。

・「Personal Edge Page Server」:要求に応じてWebページの更新情報のみを送信し,ユーザーへのデータ転送を制限する。

・「Personal Edge Extension」:Traffic Serverと他のPersonal Edgeコンポーネントとの通信リンクを提供する。

 ちなみにInktomi社によると,米AOL Time Warner傘下の米America Online(AOL)がPersonal Edgeの採用を決定しているという。

 Personal Edgeはすでに利用可能。詳細については同社のWebサイトに掲載している。

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