「電話線を介してデジタルTV放送を視聴する世帯数が,2008年までに4600万世帯に達する」。米Strategy Analyticsが米国時間9月26日に,「DSL DTV: Status and Prospect(DSL デジタルTVの現状と見通し)」と題する報告書を発表した。
すでに米Qwest Communicationsや英Kingston Communications,英Video NetworksなどがxDSL網を介したデジタルTVやビデオの商用サービスを開始している。
世界のデジタルTVサービス市場でxDSLが占める割合は現在1%に満たない。これが今後徐々に拡大し,2008年には11%に達するとStrategy社は予測している。
「キャリアは,コンテンツ・プロバイダなどに向けた事業に注力すべき。長期的にも,ネットワークのアップグレードへの投資に重点を置く必要がある。音声の電話通信事業が各社とも下降線をたどっているなかで,DSL DTV事業への参入は大きな武器となる」(Strategy社)。
Strategy社Consumer Practice部門担当副社長David Mercer氏は,「DSLは4番目のデジタルTV向けプラットフォームとなる」と指摘する。「ただし,キャリアにとってコンテンツ配信事業などはまさしく未知の世界。手を出したところで成功できるかどうかは何ともいえない」(Mercer氏)。
キャリアはデジタルTVサービスに,テレフォニやメッセージング,広帯域インターネット接続,家庭内ネットワーク管理など従来提供しているサービスをバンドルすることで,長期的にもCATV事業者や衛星通信事業者,その他の新興通信事業者などに打ち勝つことができるとしている。
Strategy社によれば,2002年におけるDSL DTV向けセットトップ・ボックス(STB)市場は100万台となる見込み。2008年には1070万台規模に成長すると予測している。
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