米AOL Time Warnerが米国時間9月24日に,同時多発テロと広告市場の低迷が業績に影響を及ぼしたなどとし,業績予測を下方修正した。
2001年のEBITDA(利子,税金,減価償却費控除前利益)は,前年に比べた伸び率が20%以内にとどまるという。また売上高の伸び率は5%~7%の範囲内にとどまる見込みである。
主に広告市場の低迷が続いたこと,取材業務における経費が増大したこと,そして同時多発テロに関連して様々な事業で経費が生じたことを理由に挙げている。同社によれば,「9月11日以前でも広告市場の進展は見られなかった。そこへ11日のテロでさらなる悪化を招いた」。
なお現在の広告市場の状況は,同社のネットワーク,AOL(America Online),出版,ケーブルといった事業に影響を及ぼしている。取材費の増大は,CNN,Time Inc.,AOL,NY1といった事業で発生しているという。この取材費は今後「著しく増大する」と説明している。
ただし2002年の見通しについては,「会員契約ベースの事業とコンテンツ事業(この二つで同社の売上高の75%を占める)は大きな影響を受けない。これにより2002年のEBITDAは2桁成長が見込める」(同社)という。
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