米PacketVideoが米国時間9月11日に,無線ネットワーク向けマルチメディア技術の提供に関し,米Hewlett-Packard(HP)など3社と提携関係に入ったことを明らかにした。米サンディエゴで開催中の無線通信技術の展示会「CTIA Wireless I.T. and Internet Show」でPacketVideo社が発表したもの。
契約を結んだのは,HP社のほか,企業向けソリューション・プロバイダ大手の米Science Applications International Corp(SAIC),無線ネットワーク向けシステム・インテグレータの米Stellcom。3社は,無線LANやBluetooth,次世代モバイル・ネットワークなどに向けてPacketVideo社の技術を世界規模で展開する。
3社が結んだ提携内容は以下の通り。
・HP社
企業向けにPacketVideo社の無線技術サービスやシステム・インテグレーション・サービスを提供する。
・SAIC社
PacketVideo社はSAIC社を,システム・インテグレーション,アプリケーション開発および導入,マルチメディア・サービス・ホスティングなどのサービスに向けた推奨プロバイダとする。SAIC社は世界21カ国150都市に拠点を持ち,サービスを展開している。
「無線通信に向けたマルチメディア技術の利用が急速に拡大しつつある。企業の用途や需要に合わせたマルチメディア・アプリケーションは,非常に大きな潜在成長力を秘めている」(SAIC社Global Telecommunications部門担当上級副社長のBob Young氏)。
・Stellcom社
PacketVideo社の技術をStellcom社の企業向けモバイル・コンピューティング・ソリューションに組み込んで提供する。サービス業,小売店,エネルギー関連,医療関連など垂直市場に向ける。
PacketVideo社は,同社の技術を用いたマルチメディア・ソリューションの例として以下を挙げている。
・セキュリティ監視カメラ
遠隔監視モニターや警備用無線監視カメラ。
・在宅医療ソリューション
医師などが遠隔地から患者の状態を確認できる。
・企業向けソリューション
外出先などで,トレーニング・ビデオや会議などの視聴ができる。
・小売店向けソリューション
店内にハンドヘルド機器を設置,来店者がビデオやCDなどを視聴できるようにする。
なお調査会社米Cahners In-Statによれば,「米国の無線データ通信サービスの企業ユーザー数は,2000年の280万人から2005年には3200万人規模へと5年で11倍以上に拡大する」(同社無線市場調査部門ディレクターのRebecca Diercks氏)という。
◎関連記事
<PacketVideo社関連>
■米パケットビデオが無線ストリーミング配信ソフトの新版,画質/音質の向上図る
■PacketVideoが無線端末向けストリーミング配信ソフトウエアを発表
■シャープがLinuxベースの無線携帯端末に,米パケットビデオのMPEG-4再生ソフト内蔵へ
■米パケットビデオと英シンビアンがモバイル向けマルチメディアで提携
■PDAに最寄りの映画館の予告編,米インテルなどが位置情報使う動画配信をデモ
■米PacketVideoとQUALCOMMが技術提携,第3世代CDMAデバイスのマルチメディア機能を強化
<市場調査>
■2006年末の無線ネット・ユーザーは5億人以上,Bluetooth機器は現在の1600倍
■「米企業の21%と欧州企業の35%がモバイル・ソリューションに着手」と米IDC