1985年登場のWindows1.0「IBM PC」誕生20周年に関連して,米Microsoftが米国時間8月8日に20年後のパソコン像などについて明らかにした。

 Microsoft社が思い描く20年後(2021年)のパソコンは,自動的に最新ソフトウエアやセキュリティ管理機能をダウンロードして,所有者が気付かないうちにパソコン自身を監視し“治療”する。また,家庭の冷蔵庫やホーム・セキュリティ・システムなどに組み込まれているマイクロプロセサが,パソコンを中心として互いに通信を行う。

 「まるでSFの世界だ。しかし20年前にさかのぼってみると,数十Gバイトのハード・ディスク装置,グラフィカルなデスクトップ・パソコン用ツール,インターネットや無線対応がわずか20年で現実のものになると考えただろうか」(Microsoft社)。

 Microsoft社はカリフォルニア州サンノゼのTech Museum of Innovationで「IBM PC」誕生20周年を記念したイベントを開催する。Microsoft社会長兼CSA(チーフ・ソフトウエア・アーキテクト)のBill Gates氏は米Intel会長のAndy Grove氏などとともに,パソコンの発展や普及についてパネル・ディスカッションを行う。

 Microsoft社はパソコンの普及状況に関する調査結果も発表した。Gallup Organization社がMicrosoft社の依頼によって実施したもの。

 それによると,パソコンは他のあらゆる技術よりも重大な影響力を持つようになるという。家庭において最も重要な技術として,同数の回答者が「パソコン」と「テレビ」を挙げた。全体的にパソコンの利用は引き続き急増しており,人々は家庭と職場の両方でパソコンをもっと活用したいと考えている。

 パソコン・ユーザーが家庭でパソコンを使う時間は1週間当たり平均11時間。主に電子メール,WWW,ゲーム,教育目的で利用する。回答者の約半数がパソコンで音楽を聴いたり,インスタント・メッセージングや音声通話などインターネットを介した通信を行っている。また大半のユーザーは家庭で仕事関連の作業にパソコンを使っている。

 現在,家庭ユーザーの平均パソコン経験年数は5年間。10年以上パソコンを利用している割合は20%,1年以下は約20%。また,約30%のユーザーが家庭に2台以上パソコンを所有している。

 職場で最も重要な技術として「パソコン」を挙げた職場ユーザーは58%,「電話」が19%,「携帯電話機」が8%,「ファクスとコピー機」が4%だった。職場でのパソコン利用時間は1週間当たり平均22時間で,主に電子メールの送信,インターネットのブラウジング,企業ネットワークへのアクセスを行っている。主としてノート・パソコンを使っている職場ユーザーは約12%だった。

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[www.microsoft.comに掲載の発表資料1]
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