米Crayが米国時間8月2日に,2001年第2四半期の決算を発表した。売上高は2940万ドルで,前年同期の5100万ドルに比べ減収となった。
Cray Research事業の買収に関連する費用を除いた純損失(pro-formaベース)は810万ドル,同1株当たり純損失は20セントである。この費用を含めると990万ドルの純損失で,同1株当たり純損失は24セントとなる。EBITDA(利子,税金,減価償却費控除前利益/損失)は440万ドルの損失となる。
同社会長兼CEOのJim Rottsolk氏は,「短期的には現在の経済情勢が業績に悪影響を及ぼしている」と説明する。とりわけ工業用品市場での影響が大きいという。しかし「長期的にみれば,よりパワフルなスーパーコンピュータの需要は不変であり,今後も伸び続けると期待している」(同氏)とする。
また,同社の長期的成長に向けた戦略は計画通りに進んでおり,次世代製品の生産も今度半年後から2年半のあいだに始まるという。今後の見通しとしては,「生物情報科学などの新しい市場が開ける」(同氏)という。また同社が全世界で展開する政府機関向け事業は,「不況の影響を受けにくく景気低迷のクッションになっている」(同氏)と説明する。
同社が四半期中に行った主な施策には以下がある。
・NEC製ベクトル型スーパーコンピュータ(スパコン)の販売とサービスに関してNECと長期契約を締結。これにはNECによるCray社への2500万ドルの投資が含まれている。
・Cray社製スパコン「SV1ex」で,性能と価格性能比を向上させた。
・同スパコンをArctic Region Supercomputer Centerに納入した。
・同スパコンおよび「SV1」をOhio Supercomputer Centerや,GMR for NASA Ames Research Center,U.S. Army Space and Missile Defense Commandから受注した。
◎関連記事
■米サンと米クレイがOEM契約,「Sun Fire」をスーパーコンのI/O処理用に使う
■NECとクレイが5年目の和解,関税撤回と引き替えにスパコンをOEM供給
■新生Crayが日本から初受注,富士通のSIで北陸先端科技大に
[発表資料へ]