米PSINetが米国時間6月1日に,米国破産法の会社再建手続きであるチャプター11の申請をニューヨーク州南地区連邦地裁に行ったことを明らかにした。申請したのは米国の本体と24の子会社。また,同社がカナダに抱えていた四つの関連子会社についても,カナダのオンタリオ州最高裁判所にCreditors Arrangement Actの申請を行った。
PSINet社はこれまでにも,「破産申請の可能性が高い」ことを繰り返し明らかにしていた。同社が4月17日(米国時間)に発表した2000年の業績は約50億ドルの赤字となっていた。
PSINet社は破産法申請時点でおよそ3億ドルのキャッシュを保有しており,「当面のサービスの提供には支障はない」としている。また,「占有債務者融資(DIP:debtor-in-possession)のオファーも複数あったが,ある程度の流動資金は確保できていることから,オファーを断った」と説明している。
米国外の事業については自力での再建を目指すか,もしくは売却の方向で交渉を進めるという。まず,カナダ法人の事業に関しては,カナダの通信企業TELUSに売却することで契約を結んだ。続いて,パナマとプエルトリコについても売却契約を完了したという。
アジアと欧州地域の事業については,「それぞれの現地法人とも再建を目指すのに十分な経営資源を持っている」として,破産申請は行わない方針。南米については引き続き売却の交渉を進めているという。
◎関連記事
■米PSINetが「破産申請の可能性あり」と再度発表,2000年は50億ドルの赤字
■PSINetの子会社がDecan Groupeの所有権を約3860万ユーロで売却
■【TechWeb特約】大手ISPの米PSINet,「破産法申請の可能性が高い」と発表
■米PSINet,6月に買収したASP事業を売却し撤退へ,第3四半期は約14億ドルの損失