米Jupiter Media Metrixが米国時間5月23日に,企業間電子商取引のトレーディング・ネットワーク「Private Trading Network(PTN)」に関する調査結果を発表した。企業間電子商取引を手がける企業の26%が,「今後12カ月以内に,在庫管理や製品設計など向けのオンライン協業システムをPTNに対応させる」計画であるという。

 調査は2001年3月に,Jupiter社が企業間電子商取引を手がける米国企業(売上高5億ドル以上)の幹部を対象に実施,406人から回答を得たもの。

 PTNについて,「調達システムのみに注力する」とした企業は20%にとどまった。

 企業間電子商取引のトランザクション・モデルは,従来の購買・調達から協業システムへとシフトしている。PTNの協業システムは最も短期に投資を回収できるため,製造や流通,販売の効率面などでメリットを享受できるという。

 「PTNはバイヤー,サプライヤ,ディストリビュータを結びつける機能を備える。企業がPTNを導入する当初の目的はコスト削減であることが多いが,利用が進むにつれ,企業間取引における効率向上がコスト削減を上回るメリットであることに気づく」(Jupiter社のシニア・アナリスト,Tim Clark氏)。

 バイヤー企業では,トランザクションの効率化よりもサプライヤとの関係強化を期待する向きが多い。サプライヤとの関係強化により,製造のスピードアップや効率化,需要予測などのメリットを見込めるとしている。

 Jupiter社によるその他の調査結果は以下の通り。

・今後12カ月間におけるPTN導入の計画としては,「在庫管理向け」と回答した企業が全体の17%で最も多かった。「協業プランニング/需要予測/在庫補充」が15%,「製品設計」が11%で続いた。「消耗品購買」は13%,「購買・調達管理」が13%。「OEM企業やベンダーにとって,在庫調整向けのシステムの提供が成功のカギ」(Jupiter社)。

・PTNに期待する主な機能として「サプライヤとの関係強化」を挙げた企業が全体の61%にのぼった。「開発期間の短縮とチャネル・パートナーとの関係強化」も46%あった。

・PTNを導入しない理由としては,「社内の機密データをパートナー企業と共有したくない」とする企業が36%で最も多かった。「機密データ保持の点からPTNの導入を踏みとどまっている企業も少なくない」(Jupiter社)。

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