米Advanced Micro Devices(AMD)は,フラッシュ・メモリの購入契約を履行しなかったとしてフランスAlcatel Business Systemsをニューヨーク州最高裁判所に提訴した。米国時間4月3日にAMD社が明らかにしたもの。

 AMD社とAlcatel社は2000年4月にフラッシュ・メモリの長期供給契約を結んでいた。これはAlcatel社が2年間にわたりAMD社のフラッシュ・メモリを購入するというものだった。

 AMD社によれば,「Alcatel社がこの契約の履行を拒否したため,最終措置として提訴に踏み切った」(AMD社上級副社長兼Memory GroupプレジデントのWalid Maghribi氏)という。

 またAMD社は,「他社に対してより高値で製品を供給できたにもかかわらず,その機会を捨てて契約義務を果たしてきた」などとし,この契約がAlcatel社にとって大変メリットのあるものだったと説明している。

 さらにAMD社は,この契約が双方にとってメリットがあり著しく公正なものであったこと,とりわけAlcatel社にとってはフラッシュ・メモリ製品の供給不足時も継続的に製品を確保できるものだったなどと述べている。

 「長期供給契約は,製造設備への投資タイミングを確かなものにするものでAMD社にとって重要なもの。結果として顧客に十分な量の製品を適切な価格で提供できる」(AMD社)。

 なおこれについてAlcatel社は声明を発表していない。Alcatel社は今年4月2日に米国事業のリストラ計画を発表していた(発表資料)。米国で1100人の従業員を削減するというもの。米国経済の低迷とそれに伴う顧客支出の低減などを理由に挙げていた。

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