台湾のUnipac Optoelectronics(Unipac)とAcer Display Technology (ADT) が合併する。両社が現地時間3月13日に明らかにしたもの。新会社の名称は「AU Optronics Corp.」。すでにそれぞれの役員会で承認を得ているという。

 「TFT液晶ディスプレイの生産能力で世界のトップ3になる」(両社)

 合併は株式交換で行い,ADT社株1株に対してUnipac社株1.17株を割り当てる。取り引き総額は297億台湾ドル(9億1300万ドル)になる見込み。新会社の会長にはADT社のK. Y. Lee氏,副会長にはUnipac社のI. D. Liu氏,社長にはUnipac社のH. C. Tuan氏,副社長にはADT社のH. B. Chen氏がそれぞれ就任する。

 新会社では合計五つのTFT液晶ディスプレイ工場を操業することになる。各工場におけるサブストレートの月間生産能力は,1カ所の第1世代工場で8000枚,3カ所の3.5世代工場の合計が12万5000枚,1カ所の第4世代工場で3万枚(第4世代工場は量産計画第1段階の枚数)となる。五つの工場を合わせた月間生産能力は,ガラス板面積にして約7万平方メートル,3.5世代サブストレートで約17万枚分に相当するという。

 「新会社の生産能力は日本と台湾のどの液晶メーカのそれよりも上回り,韓国LG.Philipsとほぼ同水準,韓国Samsung Electronicsに次いで世界第2位となる」

 新会社は,九つのTAB (tape-automated bonding) 生産ラインと25のCOG (chip-on-glass) 生産ラインを持つ。生産能力は小~中型ディスプレイ100万枚,大型ディスプレイ70万枚。現在の計画通りに事業の拡張が進めば,同社の売上高は3年以内に1000億台湾ドルを超えるという。

 両社は合併によって製品開発の重複業務を省き,資金を効率的に利用できると期待する。また両社の研究開発チームを統合することで,次世代技術の開発を加速する。現在開発中の技術についてはより短期間の市場投入を図る。新技術の開発には,ADT社のプラズマ・ディスプレイ技術,Unipac社のLiquid-crystal-on-silicon (LCOS) 技術が含まれる。また低温ポリシリコン液晶およびOLED(Organic Light Emitting Diode)技術の開発も促進する。工場拡張計画では,低温ポリシリコン液晶および第5世代工場の建設に重点を置くという。

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