米Jupiter Media Metrixが,買い手企業が2002年までにインターネットを使って企業間(BtoB)取引を行う割合は20%,などとする調査結果を米国時間3月5日に発表した。BtoBの電子商取引に関する調査結果を報告書「Getting Procurement Agents To Buy Online」にまとめたもの。

 購買担当者の60%が,オンライン取引を妨げている主な要因として,サプライヤがオンライン取引に対応していないことを挙げている。しかし購買担当者はオンライン取引の長所を理解しており,サプライヤが必要な製品と教育を提供すれば企業はオンラインによる取引を行うという。

 「購買担当者は企業間の購買にインターネットを利用したほうが良いと理解している。オンラインへ移行する準備がまだ整っていないだけだ。サプライヤがオンラインへ移行し,システムの使い方を顧客に指導すれば,顧客もオンラインへと移る」(Jupiter社上級アナリストのJean Gabriel Henry氏)。

 このほかの調査結果は以下の通りである。

・BtoB市場においては二つの市場が明確に現れる。一つは既存のサプライヤを求める顧客の市場。もう一つは新しいサプライヤを求める顧客の市場である。この二つの市場は需要,価値観,必要条件が異なるため,売り手はそれぞれの市場で個別に目標を定め,顧客の個々の需要について理解していく必要がある。

・アンケート調査では,ネット市場についての知識不足によってオンラインへの移行が妨げられていると購買担当者の55%が回答している。また次に多いのが信頼性に欠けるとする回答(45%)である。購買担当者が電子商取引の仕組みを学び,オンラインでの経験が増えれば,売り手はこれらの障害を克服できる。

・購買担当者は電子商取引の長所を理解している。アンケート調査では,購買担当者の71%が電子商取引の第1の利点として製品コストの安さを挙げている。また56%は製品が迅速に見つかるという利点を挙げている。

・Jupiter社のアナリストは,BtoB電子商取引の85%が現在の取引相手とのあいだで行われると予測している。これに対しオフライン取引ではこの割合が95%となる。

 「既存顧客の市場は,売り手にとってチャンスが大きい。すでに買い手との信頼関係があるからだ。買い手の多くは気に入ったベンダーが電子商取引を始めるのを待っている。新規顧客の市場は小さいがやがて成長するだろう。検索サービスによってベンダーを見つけやすくなるというのが主な理由だ」(同氏)。

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