米International Data Corporation(IDC)が米国時間3月2日に,「DRAM市場は2001年に急激に落ち込む。価格は46%下落し,売上高ベースで前年比18%減の238億ドル規模に縮小する」との予測を発表した。

 「パソコン市場の落ち込みに加え,供給先のベンダーは揃って在庫調整に取り組んでおり,市場環境は非常に厳しい。2001年第3四半期の半ばまでこうした状態が続き,価格維持は困難な状況である。第3四半期末には季節的要因による需要からある程度回復するが,落ち込み分を補うほどの勢いは期待できない」(IDC半導体プログラム担当マネージャーのSoo Kyoum Kim氏)。

 価格の下落により,2001年にパソコン当たりに搭載されるDRAMは平均174Mバイトとなり,2000年より36%増えるとIDCは予測する。ビット数で換算した供給が52%増であるのに対し,需要は56%増。需給の差は小さいようにみえるが,在庫調整に時間がかかること,OEM企業がパソコンのメモリーに投じる費用を抑えていること,本来ならメモリーを多く消費するアプリケーションを生み出すはずの新OSの勢いがいまひとつであることなどから,需要はしばらく伸び悩むという。

 IDCは「製品価格が製造コストに近づきつつある,もしくはすでにそれを下回っている。DRAMメーカーは次世代のプロセス開発を急ぐべき」と指摘する。

 半導体メーカーは,EDO(extended data out)やPC66/100 SDRAM,DDR(double data rate) SDRAM,Rambus DRAMなど付加価値の高い製品をラインアップにそろえる戦略が必要であるとしている。

 主力の128Mビット市場で企業間のシェア争いが激化する。「市場の落ち込みは予想以上の速さで進み,今年いっぱい,さらに2002年も売り上げは伸び悩む。市場では“リストラ”が一段と進み,メーカーは2002年にかけて勝ち組と負け組に二分されるだろう」(Kim氏)。

◎関連記事
韓国Hyundaiのフラッシュ・メモリ事業,2000年の売上高は1億1100万ドル
大きなインパクトが見込まれる新メモリー技術
2000年の世界半導体市場は37%成長で2040億ドル,過去最高
2000年の世界半導体市場で東芝がNECを抜き2位に,31%成長を達成

[発表資料へ]