カナダのCorelが現地時間1月23日に,業績建て直しを目指した再建計画を明らかにした。

 「これまでCorel社が15年間で築いてきた基盤を用い,既存顧客との関係を強化しながら,急速に成長するWWWやビジュアル・コミュニケーションの市場で新規顧客を獲得する」(Corel社)。

 これにより,2001年6~8月期(2001会計年度第3四半期)までに黒字転換を果たし,また売上高の今後3年間の年平均成長率を20%以上にする,という。

 Corel社はこの再生計画の骨子として,1)堅実な基盤,2)明瞭な計画,3)戦略的投資/買収の三つを挙げている。これらの目的に向けて以下の事業計画を立てている。

■Linux事業:
 Linux事業のうちLinux Distribution部門を分離独立させる方向で考える。ただしCorel社は新会社の株式を保持する。Linux向けアプリケーション事業については,継続して行い,主力製品であるWordPerfect Office for LinuxやCorelDRAW for Linuxの開発を続ける。

■WordPerfect事業:
 今後リリース予定のWordPerfect Office 2002では新機能の70%以上に顧客からのフィードバックを直接取り入れる。また英語版のWordPerfect製品の需要が高い北米や国際市場に向けてキャンペーンを行うなど,同製品への投資を強化する。

■クリエイティブ製品:
 WWWコンテンツやグラフィックスといったクリエイティブ製品は収益増大の主要な柱となることから,この分野でのビジネス・チャンスを探る。

 以下の三つの段階に分けて体制を整えるという。

(1)今後1年以内:
 ・CorelDRAW 10 Graphics Suiteのアップグレード
 ・Macintosh版CorelDRAW 10 Graphics Suiteの市場投入
 ・Corel KnockOut,Corel Painter,Bryce,KPTの新版投入
 ・垂直市場に向けたターゲット販売/マーケティング計画の実施

(2)今後1~2年以内:
 ・現在のグラフィックス・スイート製品をWWW向けに移行させる

(3)今後2~3年以内:
 ・投資部門を通じて,買収や新市場への投資機会を探る
 ・米Microsoftと提携により.NET関連プロジェクトに取り組み,顧客に最新技術を提供する

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