カナダCorel米Microsoftは10月2日,マイクロソフトの.NET構想に関連して提携することを発表した。MicrosoftはCorelの2400万株(議決権のない優先株,ただし普通株への転換も可能)を1億3500万ドル(1ドル=109円として約147億円)で取得する。この株をすべて普通株に転換した場合,MicrosoftはCorelの24.6%の株式を持つことになる。

 Corelはワープロ・ソフト「WordPerfect」,ドロー・ソフト「CorelDRAW」を持つソフトハウスだが,Windowsアプリケーション・ソフトの分野ではMicrosoftに劣勢で,Linuxへの移行に力を入れていた。今回の提携で,Corelは財務状況を改善できるし,MicrosoftはCorelのLinuxシフトを止めることが可能になる。Corelが.NETプラットホーム対応のアプリケーション・ソフトの開発に注力するのは確実だ。

 Microsoftは1999年6月には,開発ツールのライバル会社である米Inpriseに1億2500万ドルを出資している(関連記事はこちら)。Windowsを存続させるためには,自社以外のWindowsソフトハウスを存続させ,Windows上で多様なソフトが存在する状況を守る必要がある。ライバルを追い込んで出資する,というのがMicrosoftのスタイルと言えるのかもしれない。

(IT Pro注:[発表資料へ])