米AOL Time Warnerの一部門であるAmerica Online(AOL)社とフィンランドのNokiaが現地時間1月18日に,Nokia社がAOL社にWAP対応ブラウザのソース・コードをライセンス供与することで両社が複数年契約を結んだことを明らかにした。

 AOL社は,自社が所有する「Netscape」ブランドで,Nokia社のWAP対応携帯電話機などモバイル機器向けのマイクロブラウザを開発する。マイクロブラウザには,AOLサービスの拡張機能などを組み込む。

 「ソース・コードのライセンス供与を受けることで,既存の技術を使って,WAP市場に直ちに参入できる」(AOL社)。

 WAP対応ブラウザの開発は,AOL社の「AOL Anywhere(どこでもAOL)」戦略の一環となるもの。AOL社は同戦略のもと携帯端末向けサービスを積極展開してきたが,「Netscape」ブランドをマイクロブラウザ市場に投入するのはこれが初めてとなる。

 AOL社とNokia社は,2000年2月に無線端末向けAOLサービス(Instant Messengerなど)の開発で提携関係に入っている。AOL社はこの際に,Nokia社のほか,米Sprint,米Motorola,米BellSouthなど携帯端末ベンダー5社と同様のサービスで提携している。

 Nokia社は,WWW対応携帯電話機市場に関し,「2000年の出荷台数は6000万台に達し,このうち約4000万台がWAP対応だった。2001年には,市場規模が約2億台に急成長し,このうちWAP対応機が全体の9割に当たる約1億8000万台を占める」との見通しを2000年12月に発表している。

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