米IBMは米国時間12月14日,電子商取引向けのメインフレーム機「eServer z900」の出荷とストレージ・サーバーの「Shark」の強化機能について発表した。

 z900は金融機関や管理コンサルティング企業など一部の顧客にはすでに出荷を開始。「予定通りのリリースである」(IBM)という。まずLinuxの動作検証などベンチマーキングやアプリケーション・テストを行う。

 IBMはサーバ製品の統一ブランド「eServer」を10月3日に発表。シリーズ中の最上位モデルとしてz900を同日発表していた。

 z900の特徴は,ネットワークやストレージ・システムへの高速接続を実現し,ワークロードやトラフィックに対するスケーラビリティを高めた点。クラスタ接続でのダウンタイムをほぼゼロにまで抑えているという。z900はリソースを自動調節できるのが特徴。従来は手動で設定するか,調節可能なパーティションが限られていた。自動復元機能も備えており,常時モニタリングを行ってエラーを自動検出する。

 z900は1台のサーバを仮想的に数千台のサーバとして扱える。「フットボール競技場並みの敷地を使い米Sun Microsystemsや米Hewlett-Packard(HP)社製サーバで行っていた同様の仕事を1台のz900で処理することができる」(IBM社)としている。

 ソフトウエアの利用料は従来のようなシステム全体の月額固定制ではなく,実際の利用量に応じて支払う料金体系をとる。なおz900向け64ビットOSの「z/OS」は2001年3月31日にリリースする予定である。

 Sharkの強化機能は直ちに利用可能。主な強化点は以下の通り:

  • 災害復旧機能の「Peer to Peer Remote Copy (PPRC)」:遠隔地にあるストレージ装置にデータを複製する。
  • Fibre Channelのネイティブ対応機能:Sun社,HP社,米NovellなどIBM社以外の製品へ接続できる。
  • 高速データ複製機能「FlashCopy」:UNIXまたはWindows NTからの利用も可能。
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  • [www.ibm.comに掲載の発表資料1]