米Texas Instruments(TI)と米TROY Group傘下のTROY XCD社が米国時間10月12日に,携帯電話のデータをプリンタに出力する技術の共同開発で連携することを明らかにした。無線データ通信技術のBluetoothを使う。
TI社のBluetooth用チップセットとTROY社のBluetooth対応印刷ソフトを組み合わせる。まずは,TI社の提供するGSM携帯電話向けソリューションに適用する。「電子メール,株式売買の確認書,アドレス帳の情報,WWWサイトでの検索結果などといったデータを,9m程度離れたプリンタで印刷できる」(両社)。
ちなみに両社は6月に,同技術の開発ですでに提携関係に入っている。(「TIがBluetooth対応技術を披露へ,WIDCOMMやTROYと提携」)。「拡大するモバイル通信市場で,プリンタへのデータ転送を無線で行うことはとても重要」(Troy Group社会長のPatrick J. Dirk氏)。なおTROY社は米Hewlett-Packard(HP)と周辺機器通信プロトコル「JetSend」のBluetooth対応で提携している。
Bluetoothは,短距離通信に向く低コストの無線通信技術。2.45GHzのISM帯を使う。データ伝送速度は1Mbpsである。携帯電話,ノート・パソコン,PDAといったモバイル機器間での用途をねらう。移動したり,ポケットやブリーフケース内に機器あっても通信できるようにする。
1998年に米IBM,米Intel,フィンランドNokia,東芝,スウェーデンのEricssonがBluetoothの標準化団体「Bluetooth Special interest Group(SIG)」を立ち上げた。のちに,米Lucent Technologiesも参加している(「BluetoothのSIGのコア・メンバにMicrosoft,Lucentなどが参加」)。
米Cahners In-Stat Groupによれば,「Bluetooth対応機器市場は,2005年までに出荷台数ベースで10億台を突破する規模に成長する」という。米Allied Businessは, 「2005年におけるBluetooth対応機器の出荷台数は14億台超」との予測を発表している。
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