Internet Explorer(IE)のセキュリティ・ホールが次々と見つかっている。米Microsoft以外のベンダーやユーザーなどによって見つけられ,メーリング・リストやWebサイトなどで公開されている(写真は,フレームを使った任意のWebコンテンツ中に,任意のコンテンツを表示させられるセキュリティ・ホールのデモ。6月に公表された)。

 Microsoftはパッチを作成して公開しているが,セキュリティ・ホールが見つかる速度に追いついていない。パッチが公開されていないセキュリティ・ホールは増える一方だ。IEユーザーとしては,「セキュリティ設定をできるだけ厳しくする」「怪しいサイトにはアクセスしない/怪しいリンクはクリックしない」「HTMLメールはテキスト形式で表示させるようにする」「別のブラウザを併用する/別のブラウザを使う」――といった自衛手段を講じる必要がある(関連記事)。

 他のブラウザにもセキュリティ・ホールは見つかっているので,「IE以外なら安全」というわけではない。また,上記のようにセキュリティ設定や心がけ次第で,IEを使っていてもリスクを軽減することはできる。重要なことは,「たとえすべてのパッチを適用していても,IEにはセキュリティ・ホールがある」ことを認識して使用することだ。そうすれば,怪しいリンクを安易にクリックするようなことは控えるだろう。

 IT Proでは,Microsoftがパッチを公開していなくても,詳細が公開されてしまったセキュリティ・ホールや,パッチ適用以外の回避方法があるセキュリティ・ホールについては,記事として取り上げている。そこで本稿では,最近掲載した,パッチ未公開(記事執筆時点。現時点では公開されているものもある)のIEのセキュリティ・ホールに関する記事をまとめた。

IEにパッチ未公開のセキュリティ・ホールが続出 [2004/07/14]
※「任意のプログラムを実行させられる」「画面表示を偽装される」などの4種類のセキュリティ・ホール(IT Proで既報のセキュリティ・ホールを含む)。対策は「アクティブスクリプトを無効にすること」など。

「ポップアップ・ウインドウで画面表示を偽装できる」――IEでファイルをダウンロードするときには注意 [2004/07/13]
※画面表示を偽装されるセキュリティ・ホール。対策は「アクティブスクリプトを無効にすること」など。

IEにセキュリティ・ホール,フレーム中に任意のコンテンツを表示させられる [2004/06/30]
※フレームを使った任意のWebコンテンツ中に,任意のコンテンツを表示させられるセキュリティ・ホール。対策は「怪しいページにアクセスしない/怪しいリンクをクリックしない」こと。同様のセキュリティ・ホールはOperaやMozillaにも見つかっている(関連記事)。

IEやMozillaにアドレス・バーを偽装されるセキュリティ・ホール [2004/06/14]
※アドレス・バーの偽装とセキュリティ設定の回避を許すセキュリティ・ホール。特定のサイトでのみ悪用可能。同記事にあるように,アドレス・バーを偽装されるセキュリティ・ホールはMozillaにも見つかっている。

IEにパッチ未公開のセキュリティ・ホール,悪用するWebサイトが既に存在 [2004/06/09]
※任意のプログラムを実行させられるセキュリティ・ホール。7月に公開された「Microsoft Data Access Components の重要な更新プログラム」を適用すれば,特定の攻撃は回避できる(関連記事)。ただし,セキュリティ・ホールは解消されない(関連記事)。

リンク先のURLを偽装できるセキュリティ・ホールがIEに,OEユーザーは特に注意 [2004/04/05]
※ステータス・バーを偽装できるセキュリティ・ホール。

IEにパッチ未公開のセキュリティ・ホール,攻撃コードも出現している [2004/02/20]
※任意のプログラムを実行させられるセキュリティ・ホール。2004年4月には,このセキュリティ・ホールを突くコードが出回った(関連記事)。同じく4月に公開された「MS04-013」のパッチで解消される(関連記事

IEに,ダウンロードするファイル名を偽装されるセキュリティ・ホール [2004/01/29]
※「ファイルのダウンロード」ダイアログ中のファイル名を偽装できるセキュリティ・ホール。「MS04-024」のパッチで解消される(関連記事)。

IEに2種類の新たなセキュリティ・ホールが見つかる [2004/01/10]
※任意のプログラムを実行させられるセキュリティ・ホール。1種類のセキュリティ・ホールについては,「MS04-024」のパッチで解消される(関連記事)。

IEにURLを偽装できるセキュリティ・ホール,安易なクリックは禁物 [2003/12/11]
※アドレス・バーやステータス・バーを偽装できるセキュリティ・ホール。2004年2月に公開された「MS04-004」のパッチで解消される(関連記事

IEに複数のセキュリティ・ホール,対策はアクティブスクリプトを無効にすること [2003/11/28]
※任意のプログラムを実行させられるセキュリティ・ホール。2004年2月に公開された「MS04-004」のパッチで解消される(関連記事)。