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記者の眼

大規模サイトに潜む
アクセシビリティの落とし穴

本間純 2004/10/15 ITpro
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 高齢者や障害者に使いやすいWebサイトの普及を目指して,Webアクセシビリティに関するJIS規格が制定されてから約4カ月が経った(注1)。企業や官公庁,教育機関といった団体の中には,急ピッチでWebサイトの改善を進めているところも多い。

 この記事では,ポータルサイトのYahoo! JAPANや官公庁の電子申請サイトに潜む落とし穴を紹介する。サイトを訪問する利用者の気持ちに思いを巡らし,こうした「つまずき」の要因を見つけることから,Webアクセシビリティ改善への第一歩を踏み出そう。

注1:ITレポート「導入機運高まるアクセシビリティ(上)」,「同(下)」を参照。

視覚障害者が指摘した,ヤフーの画像認証の問題

 家庭からのインターネット利用者は約3500万人に達しており(注2),今や高齢者や障害者にとっても,インターネットは生活に不可欠の存在となっている。残念ながら,一見きれいなWebサイトも彼らの立場からは荒れ放題に見えることが多い。

注2:Nielsen//NetRatingsの調査による。

 以下は,公立図書館に勤務する1人の女性から直接聞いた話である。彼女は視覚障害者であり,パソコンの利用に音声読み上げソフトを必要とすることを除けば,同年代の女性たちと何ら変わらない生活を送っている。メールで友達とおしゃべりし,オンライン・ショッピングを楽しむ毎日だ。

写真1 ヤフーが導入した画像認証
写真1●ヤフーが導入した画像認証
 仕事上の情報交換のためにメーリング・リストを管理している彼女は,今年2月,あるトラブルに遭遇した。ヤフーが運営する「Yahoo! グループ」で,管理者画面にログインできなくなったのである。迷惑メール対策のためヤフーが新たに導入した,画像認証が原因だった(写真1[拡大表示])。

 ヤフーはID登録者に無料メール・アドレスを提供しているが,近年,悪質なメール配信業者による不正なID取得が増えてきた。特に問題だったのは「ロボット」と呼ばれる自動登録プログラムによって多数のメール・アドレスを取得する業者の存在だ。次から次へとメール・アドレスを変える業者に対しては,電子メール・ソフトの迷惑メール・フィルタ機能も無力である。

 利用者やISP(インターネット接続事業者)の批判を受けたヤフーは,そこでID登録手続きを変更し,画像認証を取り入れてロボットによる自動登録を防ぐことにした。利用者は,画像の中に浮かぶ歪んだ文字を眼で読み取り,入力フォームに写し取る必要がある。画像認証はヤフーの他のサービスに導入後,2月にYahoo! グループの登録手続きに導入され,管理者や参加希望者はIDの再登録が必要になった。

 彼女は,ヤフーのサポート窓口の助言に従って家族に登録を代行してもらうことを考えたが,残念ながら身近にパソコンが使える人はいなかった。かといって,他の人に登録を代行してもらうことで,IDやパスワードなどの個人情報が知られるのも嫌だった。彼女は3回にわたりヤフーに助けを求めたが,いまだに管理画面にログインできないままだ。

 筆者がヤフーの例を紹介したのは,同社をとがめるためではない。あるユーザーにとって何でもないことが,別のユーザーにとっては大きな障害になる場合があることを知ってほしいからだ。ヤフーは,自社サイトの品質やユーザビリティの確保について厳しい監査体制を持っており,この点では日本で最も進んでいる企業と言っていい。利用者からの指摘を謙虚に受け止め,対処する姿勢も持っている(注3)。今後の同社の対応に期待したい(注4)

注3:昨年秋,乳がん検診の啓発運動「ピンクリボンキャンペーン」に協賛したヤフーは,開始日に合わせてトップ・ページをピンク色に染めた。すると利用者から「いつもの色と違うので,パソコンの画面が壊れたと勘違いした」という声が寄せられた。ある色覚障害を持つ利用者からは,「コントラストが低下して文字が読みにくい」という指摘もあった。そこで,今年のキャンペーンではデザイン変更をWebページの一部に留めるなど改善を加えた。

注4:マイクロソフトの「.Net Passport」のID取得画面では、文字画像のほか音声ファイルも用意した。視覚障害者は音声の聞き取り結果をフォームに入力することで認証される。

電子申請サイトにも課題

 ユーザーのつまずきを招くWebサイトについて,もう一つ例を挙げよう。中央省庁や全国各地の自治体で構築が進む電子申請サイトである。

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