Linuxの普及促進団体OSDL(Open Source Development Labs)は8月9日(現地時間),パテント・コモンズ・プロジェクトを開始すると発表した。オープンソース・ソフトウエアに対し開放された特許(パテント)を集めて共有財(コモンズ)とする。
「ソフトウエア特許はオープンソース・ソフトウエアへのの巨大な潜在的な脅威」(Linus Torvalds氏)。パテント・コモンズを形成することで,特許がオープンソース・ソフトウエアの開発や普及を妨げることを防止することが狙い。
「我々の目標は,オープンソース・ソフトウエアに対し特許を開放したいと考えている企業や個人が,それをより簡単にできるようにすること」(OSDL CEO Stuart Cohen氏)。パテント・コモンズ・プロジェクトでは,企業がオープンソース・ソフトウエアに対して行使しないことを確認した特許を,企業の誓約書とともに収集してライブラリ/データベースを作成する。また,オープンソース・ソフトウエアに対して付与された特許ライセンスも収集する。
すでにオープンソース・ソフトウエアに対する特許の開放を宣言した企業もある。米IBMは同社が保有する500件の特許をオープンソース・コミュニティに開放した。開放にあたって,パテント・コモンズという概念を提唱している(関連記事)。米Sun Microsystemsは,Common Development and Distribution License(CDDL)と呼ぶライセンスのソフトウエアに対し,特許1600件の使用を許諾した(関連記事)。フィンランドNokiaは,Linuxカーネルに対し同社が保有する全ての特許の利用を許可している(関連記事)。