テレワークの普及を進めようとすると、オフィスワークの現場にいる管理職から反発が起こりがちだ。理由を聞くと、愕然とさせるものが出てくる。
筆者は、ノートPCなどを使って会社のオフィス以外で働くテレワークの普及活動を、顧客企業で支援している。オフィスで働く部署に出向き、テレワークの導入を進めると、現場の管理職から「自分の部署でテレワークをするのは無理だ」という指摘を受けることが多い。
そういった現場の管理職に理由を尋ねると、「部下の顔を見て、状況判断をしながら仕事を進めているから」「テレワークができる人とできない人が出てくるから」という2つの答えが返ってくることが多い。今回は、この2つの「テレワークを阻む厄介な存在」について解決策を示していきたい。
まず、いろいろと注文を付けたくなるのが最初に挙げた「部下の顔を見て状況判断したいから」という答えだ。同様の答えには「いざという時その場にいる部下とコミュニケーションが取りやすいから」というものもある。
異なる現場を訪問して、このような同じ答えを聞くたびに、筆者はいつも愕然としている。そういった考えを持っている現場の上司に対して、「毎日どれだけ部下の顔を見ているのか」と、逆に聞き返したくなる。また、テレワークをすることによって、全く会社に来なくなるわけではないこともお伝えしたい。本当に必要なときは、会社に来るよう業務命令を出せばよいことだ。