災害からITシステムを守るディザスタリカバリー(DR)対策にクラウドを活用する手法を見ていく。その前提として、システムの耐障害性を高める手法を確認しておこう。必要最小限のシステムに絞り、適切なレベルの対策を施すことで、投資効率を高めたい。

 手法としては高可用性(HA)構成、データバックアップ、DRがある。メインサイトに代替機を用意しておくHA構成は基本的にはデータセンター内の障害を想定した対策だ。広域災害を想定すると、リモートデータバックアップかDRサイトを採用することになる。

 障害からのシステム復旧レベルの指標として用いられるのがRPO(Recovery Point Objective)とRTO(Recovery Time Objective)である。RPOは障害発生以前のどの時点までのデータを復旧させるか、RTOは障害発生からいつまでに復旧させるかの、それぞれ目標値だ。

 RPOとRTOが短いほど、より現在に近いデータをより迅速に復旧できるが、コストも高くつく。富士通は5段階で復旧レベルを規定し、それぞれ実現手法を割り当てる。

システムの耐障害性を高める手法
システムの耐障害性を高める手法
(右「BCPのレベル」の出所:富士通)
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 「最高のレベル5は首都圏直下型地震が起きてもATMが止まらないように都市銀行が採用しているホットスタンバイ。多くの案件はレベル2のリモートデータバックアップだ」(富士通 オファリング推進本部 セキュリティオファリング統括部 プロモーション推進部の深耕真一氏)。

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