スマートフォンの浸透に伴って新たなビジネスモデルが生まれ、新規事業にかかわる広報PRが始まっていきます。社歴が浅く、社員の経験値が少ないベンチャー企業では、あらゆるリソースが足りない中で効果的な広報PRを展開することが、企業の成長を左右します。

 今回は、電子マニュアル作成共有を支援するプラットフォーム「Teachme Biz(ティーチミー・ビズ)」を提供するベンチャー企業、スタディストの広報PR活動を、広報室シニアマネージャーの朝倉慶子氏の取材を基に解説します。まず、朝倉氏が入社してからの3年間の取り組みと成果を取り上げます。

スタディスト広報室シニアマネージャーの朝倉慶子氏
スタディスト広報室シニアマネージャーの朝倉慶子氏
撮影:松本 敏明
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「伝えることを簡単にして社会を変える」というビジョンに共感

 外食や小売りなど、拠点数が多く人の入れ替わりが多い職場では、業務を伝えるマニュアルが生産性に影響します。しかし紙の業務マニュアルは、配布にも改定にも手間がかかり、最新版を使える期間が短いという課題を抱えています。

 これに着目したスタディストは、法人向けマニュアルの作成共有プラットフォームを開発しました。PCだけでなくタブレットやスマートフォンなどのモバイル端末からでも使える手軽なサービスをクラウドで提供しています。

 スタディストは、製造業向けコンサルタントだった創業者 鈴木悟史氏が、紙のマニュアルがすぐ廃版になる無駄に疑問を感じたことをきっかけに2010年に起業しました。同社のTeachme Bizは、スマートフォンやタブレットで撮影した写真を使うなどして従来比5分の1の工程でマニュアルを作成できます。全国にわたる拠点や、高齢者・若年層・外国人など多様な人材からなる現場で、スタッフのスキルアップや教育、作業の標準化や効率化のために使う例が広がっています。

 スタディストで広報PRを担当する朝倉氏は、2015年に7人目の社員として入社しました。創業メンバーが前職で同僚だったという理由もあって、「伝えることをもっと簡単にすることで、知的活力みなぎる社会を実現する」というビジョンに共感できたといいます。

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