さまざまな分野でデジタルトランスフォーメーションが加速する中、コンサルティング会社はユーザー企業を上回る知見を求められています。ではコンサルティング会社で、広報は企業の成長をけん引できるのでしょうか。前回に引き続き広報室を率いるマーケティングコミュニケーション部 神田 健太郎広報室長に、アクセンチュアが導入する評価法やKPI、改善策を取り上げます。

アクセンチュア マーケティングコミュニケーション部 神田 健太郎広報室長
アクセンチュア マーケティングコミュニケーション部 神田 健太郎広報室長
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心理テストで強みを伸ばすパフォーマンスアチーブメント

 アクセンチュアは、広報室にとどまらず全社員の評価法を2017年に刷新しました。それまでの相対評価から、上司と部下を最小単位とする絶対評価システム「パフォーマンスアチーブメント」に移行したのです。

 かつて同社では、レビューの期初と期中、そして終了時に上司と部下が面談し、5段階評価で社員の序列を付けていました。それを見直し、「43万人全員の個人の強みを伸ばす」ことを目的に、意思疎通を促すシステムを導入しました。

 同システムでは、社員のキャリアアップやスキル強化のために、仕事の最小単位である上司と部下のコミュニケーションを繰り返します(イテレーション)。まず個々が心理テストに似た、30以上の項目に回答することによって、自身の特性を明らかにします。

 これによって社員自身も上司も気づいていなかった、個人の強みを評価しやすくなります。その上で「1対1の関係が良くなれば全社員が伸びる」という考えに基づき、個人の強みがどれだけ伸びたかを評価します。

 広報室メンバーは被評価者として、記者会見やプレスリリースなどの個々のプロジェクト概要、達成したいゴール、さらに中期的に開発したい能力をパフォーマンスアチーブメントのシステムに登録し、上長と共有します。上長以外のフィードバックを得るために、海外メンバーや客先に常駐するコンサルタントなど任意の評価者を追加することも可能です。

 このシステムにより、全世界で統一されたフォーマットの中で、社内外/国内外の関係者のフィードバックを加えたコミュニケーションと評価が頻繁に可能になりました。広報室メンバーについては、自分の業務のビジネスへの貢献度を把握し、改善する点を認識します。さらに同じ情報を共有する評価者のアドバイスによって、速やかに自身の能力を伸ばせるようになります。

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