ムダな作業をやめたり、必要な作業を自動化したりして効率は間違いなく上がったはず。それなのに相変わらず残業しているメンバーが散見される現場では、チームに帰りやすい雰囲気ができているかどうかを確認したい。
自分の仕事は終わったけれど、同僚たちはまだ。自分だけ帰るのは申し訳ない。各メンバーがそんな思いを抱いて、不急の作業に取りかかってダラダラ残業してしまうケースが少なくない。いかに帰りやすい雰囲気をチームに醸成していくかが、働き方改革の実効性を高める上で大切だ。
同僚の定時退社の責任を負う
オージス総研の川﨑康志運用サービス部 運用業務第一チーム リーダーらのチームは、早く帰りやすくするためのルールを運用している。「定時帰らせキャンペーン」というべきものだ。日替わりで、その日必ず定時退社するメンバーを設定している。
よくあるノー残業デーの一種に思えるかもしれないが、川﨑氏らのチームはひと味違う。「その日に定時退社するメンバーを、ほかのメンバーが定時退社させる責任を負う」(川﨑氏)。
定時退社のメンバーが大量の仕事を抱えているようなときは、ほかのメンバーが分担して引き取る。定時退社のメンバーは「仕事が残っている」などと後ろ髪を引かれずに会社を後にできる。
支援を受けて定時退社したメンバーは、別のメンバーが定時退社する日には前向きに応援しやすい。定時退社させる責任を負っても、やらされ感が生じにくい。
ザ・ゴール流で作業時間の「さば」をマネジメント
この定時帰らせキャンペーンに加えて、川﨑氏らのチームでは様々な改善活動に取り組んでいる。一例は、ビジネス小説「ザ・ゴール」で知られるイスラエルの故エリヤフ・ゴールドラット氏が考案したプロジェクトマネジメント手法「CCPM(Critical Chain Project Management)」のエッセンスを保守開発のチームに応用した取り組みである。