BtoBサービスを提供する企業にとって、市場トレンドや競合との差異化ポイントを把握することは非常に重要です。業界内の旬な情報や顧客が重要視しているポイントを見落として、いつのまにかシェアを奪われてしまった――といった話もよく耳にします。
さらにBtoBサービスの展開に当たっては、トレンドに合わせてセミナーやニュース記事を提供してリテンション(既存顧客との関係維持)を図る手法をとる企業が多くいます。ただし、ここで発信する情報の内容が時流に乗っていないと、逆効果になりかねません。
グローバルでは、BtoB企業が発信するべきトレンド情報を分かりやすく可視化できるようにして、マーケターを支援するサービスを提供する企業があります。それが米サンフランシスコに本社を構えるQuid(クイッド)です。
実は、2015年の秋に私がサンフランシスコを訪れた際に、急な依頼にもかかわらず会社訪問を快諾してもらい、その際にサービスについても一通りの説明を受けました。
当時は同社のウェブサイトに載っている情報が非常に少なく、少しクローズドな印象もありました。「基本は対面営業で説明したいからウェブサイトには情報をあまり載せていないんだ」と担当者は話していました。
それが今では、サービス内容についてかなり具体的な機能紹介も掲載しているようです。1年が経過して事業にさらに勢いがついたのか、情報発信体制が変わってきた様子を感じます。
今回は、私が実際に担当者から受けた説明やサービスデモを拝見した経験から、Quidの魅力を伝えていきます。同社が提供するトレンド予測サービスがBtoBマーケティングをどのように変え得るかについて、話していこうと考えています。
Quidの基本機能
Quidは本来はコンサルティングファームでした。その業務の過程で、コンサルタントが市場調査やトレンド調査をする際に役立つデータサイエンス技術を開発するようになり、その流れでQuidというデータ分析サービスを提供する会社に姿を変えました。
Quidができることを大まかに説明すると「ウェブ上に存在するニュース記事やソーシャル、企業情報を収集し、利用者の知りたい切り口に沿って見える化する」というものです。
これだけ聞くと、これのどこがトレンド予測なんだ?と思うかもしれません。しかしこの営みは、リアルタイムにかつ膨大なデータを対象として実行しています。結果を目にすると「これが一歩先を予測するということか!」と思わず口から漏れるでしょう。
以下では実際のサービス画面を見ながら、具体的な活用例をイメージしてみましょう