ここからは日経ITイノベーターズの幹事会員5人へのインタビューで注力分野や変革手法をあぶり出す。まずは東急ハンズ(東京・新宿)の長谷川秀樹執行役員。「新規システムは全てクラウドで構築する」という方針を打ち出し、既存の業務システムのクラウド化も着々と進める。
はせがわ・ひでき氏●2008年、東急ハンズに入社。システム部門、物流部門などの責任者として改革を推進。2011年に執行役員。2014年、ITコマース部をオムニチャネル推進部に改称し現職。
現時点で最も力を入れているのはクラウドです。スマートフォン(スマホ)やタブレットとクラウドを連携させ、店舗や本社の働き方をどんどん変えていきます。
2016年1月に店舗にiPadレジを導入しました。2016年度中に全店に展開する予定です。目的はレジをプロモーションやコミュニケーションの場にすること。ある商品を購入した顧客に、興味を持ちそうな別の商品を薦めたり、クーポンを発券したりといった使い方を想定しています。東急ハンズのECサイトでは既にやっているので、レジとサイトを連携させます。
従来のPOS(販売時点情報管理)レジでこれをやろうとすると膨大な投資が必要です。またPOSレジのベンダーにはウェブとの連携技術を持つ人はあまり多くありません。だからPOS専用機でなくタブレットを端末として使い、内製することにしました。グループ企業でクラウドインテグレーションを専門とするハンズラボが開発を担当します。