台湾・台北市で2016年5月31日から6月4日まで、ICT展示会「COMPUTEX TAIPEI 2016」が開催された(写真1)。
2016年の目玉は、「VR」(仮想現実)関連製品だった。多くのブースにVRデバイスの体験コーナーが設けられ、VRコンテンツやゲームを楽しむ来場者の姿が目立った。
一方、米マイクロソフトは「HoloLens」のプラットフォームをサードパーティーにも開放。ゲームだけでなく、ビジネス活用も視野に入れた新たなVRプラットフォームの立ち上がりが見えてきた。
COMPUTEX 2016で盛り上がったPC接続型のHMD
VRといえば、頭部にゴーグル状のデバイスを装着した姿が印象的だ。これらのVRデバイスは大きく2つのタイプに分けることができる。
一つはスマートフォンを装着して利用するもので、韓国サムスン電子の「Gear VR」や、米グーグルが仕様を公開している「Cardboard」などが該当する。2016年2月にスペインで開催されたモバイル関連の展示会「Mobile World Congress 2016」では、モバイル製品の展示会ということもあり、これらのスマホVRが目立った。
一方、COMPUTEX 2016で盛り上がったのは、PC接続型のヘッドマウントディスプレイ(HMD)だ。会場内では地元台湾のASUSTeK ComputerやAcer、GIGABYTE TECHNOLOGYなど大手PCコンポーネントメーカーが、同じく台湾HTCによる「HTC Vive」や米Oculus VRの「Oculus Rift」といったHMDをブースに設置した。
会場内では、これらのHMDを装着してPCゲームを体験する来場者や、デモプレイを行うプロゲーマーの姿が目立った(写真2、3)。
どちらのタイプのVRデバイスも、装着すると眼前に仮想空間が広がるという点では共通している。だがその使用感は大きく異なる。スマホVRでは、対応スマホさえ持っていれば手軽に楽しめる半面、性能はそれほど高くない。「ジェットコースター」アプリのように動きの激しいVRコンテンツでは、「VR酔い」のような問題が起こりやすいとの指摘がある。