いよいよクロージングという局面です。
「ここまで苦労して、商談ステップを「成約」に向けて進めてきたのに、最後の最後にクロージングで きず失注してしまっては、その苦労がすべて水の泡」
「営業成績も厳しいし、ここで逃すわけにはいかない」
「でも、その焦りを出すわけにはいかない。強く売り込むと嫌がられるかもしれない」
「当然、断られたくない」
「かといって、曖昧な返事をされてごまかされるのも避けたい」
「どうすれば、いい感じでクロージングできるのだろう…」
あなたが日頃、営業の現場で闘っているのであれば、このような葛藤も多いことと思います。
今回は、あなたがお客様に提案していることが、より高い確率で受け入れられるよう、商談ステップの最後の「クロージング」の場面で押さえておくべきポイントとアクションをお伝えしていきたいと思います。
あなたがクロージングできない本質的な理由
クロージングできないのには、いくつかの本質的な理由があります。
もちろん、「お客様が予算を確保できない」とか、「競合他社の製品の方が優れている」などの理由で断られてしまうこともあるでしょう。ただ、これらはどれも、あなたがコントロールできる範囲を超えており、改善は難しいのが現実です。
しかし、一番大切なのは、「実はお客様は本音を隠していることが多い」ということです。上記のような断りの文句を発しているお客様は、あなたから買わない本当の理由を、実は隠していることも多いのです。
あるいは、営業担当者自身が、克服すべき本質的な課題を抱えていることもあります。例えば、以下のようなものです。
- 実はまだお客様から信頼を勝ち取れていない
- あなた自身が、売り込むことへの罪悪感を持っている
- 断られることへの恐怖感にさいなまれている
- 「自分は営業マンだ」と潜在意識で思っている
一つずつ見ていきましょう。
1.実はまだお客様から信頼を勝ち取れていない
お客様は、あなたが信頼できる人物かどうかを見ています。「どうせ買うなら、信頼できる人から買いたい」と思っているからです。
例えば、「十分にあなたの商品の良さは説明したはずなのに、なぜか決めきれない」ということがあります。なぜそうなってしまうのでしょうか。
それは、お客様の「頭」は掴めていても、「心」を掴めていないからです。信頼を勝ち取るポイントは、お客様の「頭」と「心」の両方を掴むことです。
お客様の「頭」を掴んで信頼を獲得するには、お客様のことを知り、他社製品よりも自社製品を導入した方が投資対効果を高められるということを論理的に伝えられるようにしっかり準備をすることが大切です。
また、お客様の「心」を掴んで信頼を獲得するには、例えば手書きのお礼状を送るとか、お客様の商品を試しに買ってみてその感想を伝えるとか、そういう「ベタな心遣い」が一番効くものです。