この「日本を復活させるB2Bマーケティング」は、BtoBマーケティングについての連載であって、デジタルマーケティングについての連載ではありません。しかし私が「デジタリアン」(デジタルを中心としてマーケティングを実践してきた人)だと思われているせいか、「デジタルメディアの活用についてもっと触れないのですか」と、読者から直接質問を受けることがあります。
もちろんB2Bマーケティングは、デジタルメディアの登場と発展によって良い影響を受けてきました。どのB2B企業でも自社のサイトを公開できるようになり、そこにはお客様が24時間365日、いつでもアクセス可能になりました。企業の認知を増やすには、安価で使えるWeb空間やSNSの広告も利用できます。
しかしその事実をもってしても、デジタルメディアが万能であることの証明にはならないでしょう。過去にこの連載で私はデジタルメディアだけではなく、アナログメディアを含めた最適な組み合わせによるコミュニケーション設計を議論しました。
デジタルのe-mailと郵便のDM、開封率を比べてみると
実はその記事で、「DMの開封率は低いと言われるが、それは都市伝説だ」というブロックで、インターネットのe-mailとDM(ダイレクトメール)として送られる郵便物開封率を比べました。そのときはDMの開封率は低くないことを指摘しましたが、そのときはデータを使った説明ができていませんでした。
今回、ようやく該当するデータを見つけました。e-mailに関するデータは、米国のe-mailの開封率調査のデータで、https://www.smartinsights.com/email-marketing/email-communications-strategy/statistics-sources-for-email-marketing/に掲載されています。このサイトによるとe-mailの開封率(Open Rate)は、10.63%~24.77%です。残念ながら日本のデータではありませんが、e-mailの開封率はこの数値を参考にします。