アウトバウンドとインバウンド
前回はバリュープロポジションについて話しました。バリュープロポジションとは、「(1)お客様が望んでいて、(2)自社が提供でき、(3)競合他社は提供できない価値」のことです。
バリュープロポジションが明確になっているとは、対象顧客や訴求ポイントが明確に絞りこめているということ。それを核にして、そのままプロモーション戦略やチャネル戦略を展開できます。
ここでバリュープロポジションの難しいところは、「お客様が望んでいる価値」が仮説に過ぎないということです。このため「お客様が望んでいる価値」について、いくつもの仮説をたてて、実際のマーケティング活動を通じて検証していきます。
その手段として、テレマーケティングやダイレクトメール、マス広告といったプッシュ型の「アウトバウンドマーケティング」という、いわば顧客を「追いかける」タイプのマーケティングがあります。しかしここには限界が語られるようになってきました。自分自身の生活を振り返っても、大量に送られてくるメルマガは開封せず、画面に繰り返し表示されるバナー広告に嫌悪感を抱いた経験は、誰もが持っているでしょう。
ダイレクトメールや広告が効かなくなってきた背景には、ネットや検索の発達に伴って、B2B企業であっても「知りたいことは自分で調べられる」ようになったことがあるでしょう。こうなると「自分がほしいと思わない情報はシャットアウトする」ようになってきます。
このような流れに対応するためにも、プッシュ型のアウトバウンドに加えて、「プル型」の「インバウンドマーケティング」を組み合わせたマーケティングの設計が重要になってきました。