毎年、年末になると、どの業界でも「今年の総括」が多く語られるようになる。2017年もメディアや調査会社が様々な形でデジタルマーケティングについて総括をしている。
Forbes Agency Council(米フォーブスが作るPR、メディア戦略、クリエイティブ、そして広告を取り仕切るエージェンシーの上級職のみのグループ)が発表した「2017年伸び悩んだ15のトレンド」に興味深い情報があった。
この記事では、アドテク(広告技術)やマーテック(企業がマーケティングにデジタル技術を取り入れること、またはその技術)の分野で、2017年に大きな期待を集めていたが、結果的には「それほどでもなかった」と評価したものを、15項目にまとめている。この中で筆者が気になったのは以下の3項目だ。
まず「AI(人工知能)による広告技術(AI-Powered Adtech)」。広告に限らず、2017年は「AI」が、あちこちで多く語られた。
現時点では、マーケターが理想とする形には、やや遠い位置にあるかもしれない。それでも、マーケティング活動において、日々膨大なデータが生み出されていく中、AIに“学ばせる”データも必然的に多くなってくる。
2018年こそはAIが加速度的に成長し、企業のマーケティング活動に大きな影響をもたらすようになるかもしれない。
そして「AMP(Accelerated Mobile Pages)」。これはグーグルが中心となって推進している、モバイル端末でのウェブサイト閲覧を高速化するためのオープンソースプロジェクトである。2017年は「伸び悩んだトレンド」としての扱いを受けたが、2018年以降は無視できないものになるはずだ。
以前も触れたが、2017年12月14日にFCC(米連邦通信委員会)が、通信会社や携帯電話事業者、そしてインターネット接続企業などに、インターネット上のコンテンツを平等に扱うように求める「ネット中立性」の原則を撤廃した。
その結果、データ使用量制限の影響を大きく受けるモバイル系のサービスやウェブサイトは、何らかの対応を迫られる可能性がある。その際にAMPは、モバイル端末でウェブページの表示を高速化させるための一手段として使われる可能性が高い。