マーケティング活動の中で“年齢”もしくは“年齢層”は、非常に重要なキーワードである。米国では、ポイントになるのは対象が「ミレニアル世代(1980年代から2000年代初頭にかけて生まれた層)」であるかそうでないかとなる場合が非常に多い。ミレニアル世代の人口は米国だけで約8000万人を数えており、現在の様々な消費行動のカギを握る年齢層と考えられている。

 そのミレニアル世代と対照的に語られることが多いのが「ベビーブーマー世代(1946年から1964年にかけて生まれた層)」である。ミレニアル世代の中でも年齢が上の世代(1980年代生まれ)にとって、ベビーブーマー世代はいわゆる“親の世代”となる。こうしたこともあって、そのライフスタイルや考え方が何かにつけてよく比較される。米国で実施される調査では、消費者の属性としてミレニアル世代が特徴的であることに言及する際、必ず引き合いに出されるのがベビーブーマー世代だ。

 では、ミレニアル世代とベビーブーマー世代の比較をマーケターに当てはめてみると、どういう結果が出るのだろう。動画制作サービスを提供する米Magisto社が2016年10月に発表した、米国の約500の中小企業に実施した調査結果を見る限り、消費者と同様にマーケターでもミレニアル世代とベビーブーマー世代の差が顕著に表れている。

 デジタルメディアに対するマーケティング予算の配分を見ると、ミレニアル世代のマーケターは、マーケティング予算の58%をデジタルメディアに割り当てているが、ベビーブーマー世代のマーケターは14%しか配分していない。特にモバイルに対する予算配分では大きな差があり、ミレニアル世代が41%であるのに対して、ベビーブーマー世代は10%。4倍以上の差が見られる。

 マーケティング活動のチャネルとしてのソーシャルメディア活用にも大きな差がある。特にソーシャルメディア広告に関して「積極的に利用している」と回答した割合は、ミレニアル世代が68%と非常に高い一方、ベビーブーマー世代は27%にとどまっている。

 大きな差が見えたのは“クリエイティブのテスト”についての考え方だ。デジタルマーケティングで、施策の精度やパフォーマンスを少しでも高めるために、クリエイティブをテストするということは、もはや当然のように考えられているが、今回の調査結果からは、このクリエイティブのテストに対する両世代の考え方が大きく異なっていることが浮き彫りになった。

 「デジタル広告のパフォーマンスやROI(投資対効果)を向上させるために複数の広告クリエイティブをテストしている」と回答したミレニアル世代のマーケターは60%に上るのに対して、ベビーブーマー世代のマーケターはわずか13%となっている。さらにベビーブーマー世代のマーケターの半数以上(53%)クリエイティブを「全くテストしていない」と回答している。

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