Exchange SolutionsとGo-to-Market Prosは2018年2月下旬、米国小売り70社の役員を対象に実施した調査を基に、“パーソナライゼーションに成功している”企業名を明らかにした。2017年下半期に実施した調査によるもので、米百貨店ノードストロームと仏化粧品セフォラ、そして米アマゾン・ドット・コムの名前を挙げている。

 それぞれの業界最大手ともいえるこれら企業によるアプローチは、これからの“業界のメインストリーム”を作っていくだろう。既にオンラインで消費者に対して何らかのメッセージやコンテンツ、もしくはサービスを提供する際には、パーソナライゼーション(個々人に最適な時間、場所、方法で顧客体験を提供する手法)が、必須のものとして考えられている。

 実際、米国の流通小売り業界で高い業績を上げている企業は、オンライン上のコミュニケーションもしくは販売活動のどこかで、何らかの形でパーソナライゼーションを導入している。ただしどのような手法でもそうだが、闇雲に実行するだけでは効果は出せない。

 その傾向は、米Segment社が2017年10月に発表した『2017 State of Personalization Report』というレポート結果からも読みとれる(編集部注:調査結果は個人情報の登録後に閲覧可能)。ここでは米国の40%以上の消費者が「パーソナライゼーションが伴う購買体験を経ることでリピーターになる」と回答しているという。そして70%の消費者は「“自分に合っていないパーソナライゼーション”を経験している」とした。

 “自分に合っていないパーソナライゼーション”は、導入する企業にとってはマイナスにしかならない。米InMoment社が2018年2月に『2018 CX Trends Report』と題して発表した調査からも、その状況は分かる(編集部注:調査結果は個人情報の登録後に閲覧可能)。米国内の消費者2000人と1000のブランド関係者に対して実施した同調査によると、75%の消費者は多くのパーソナライゼーション施策を何らかの形で“creepy(不気味)”だと感じているというのだ。

 当たり前のことだが、「不気味に感じさせないパーソナライゼーション」のためには、顧客一人ひとりに関するデータを、従来よりも精緻に集めなくてはならない。そのためには、まず質の高い顧客体験を提供し続けることが必要不可欠だ。

 具体的には、データを元に質の高い顧客体験を提供し、顧客満足度を高め、利用者を増やす。こうすることで、より正確なデータをより多く集め、さらに顧客体験を高めるというサイクルを作っていく。

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