スイッチの最も基本的な機能は、受信したフレームの宛先アドレスを見て、適切なポートからそのフレームを送信することです。ここでは、その処理に要する時間(レイテンシー)に着目します。まず、レイテンシーに関連のある2つの項目について説明します。
どこを測定するかで結果が変わる
さて、今回のテーマはレイテンシーです。測定器から見ると、レイテンシーはテストフレームを測定対象のスイッチに向けて送信してから再びそれを受信するまでの時間間隔です。その間にスイッチは、受信したフレームを処理して適切なポートから送信しますが、スイッチの性能が違えば、この処理に要する時間も変わってきます。
ここで問題となるのは、測定器がフレームを送信したタイミングと、受信したタイミングをどのように定義するかということです。具体的には、「フレームを送信したタイミング」をケーブル上にフレームが出始めたタイミングにするのか、あるいは全て出し切ったところにするのか。そして「受信したタイミング」を、測定器にフレームの先頭のビットが届いた時間にするのか、あるいはすべて受信したところにするのか、ということです。これらの組み合わせによって、測定器での測定モードには図1に示した4種類があります。
・FIFO(First In First Out)
・FILO(First In Last Out)
・LILO(Last In Last Out)
・LIFO(Last In First Out)
定義は異なりますが、FIFOとLILOはフレームの長さが一定であれば同じ測定値となります。FiLOは測定器がテストフレームを受信し終えるまでの時間がレイテンシーに加算されます。また、LIFOは逆にテストフレームを送信し終えるまでの時間が差し引かれます。