前編の冒頭でも書きましたが、「人前で話すのが苦手だから…」という人でも、しっかりとポイントを押さえれば、確実にプレゼンはうまくなります。

 そして、その効果は、あなたに計り知れない価値をもたらします。より高い確率で自分の商品を買ってもらえるようになったり、自分の想いをしっかりと相手に伝えられるようになったり、といった効果があります。

 前回の記事「相手の心をぐっとつかむ! デキる人がやっているプレゼン10のポイント(前編)」では、ポイント1から5までをお伝えしました。簡単におさらいすると、(1)「すべて」を聞き手都合にする、(2)ストーリーは一貫したものにする、(3)資料は「1ページにつき1つの結論」で、(4)冒頭で惹きつける、(5)相手に興味を抱かせる質問を3つ用意する、ということでした。

 さて今回は、ポイント6から10を、実際の事例を交えてお伝えしていきたいと思います。

ポイント6:効果は事例で話す

 プレゼンを通して商品をアピールしたいとき、みなさんは「商品それ自体」の話ばかりしてしまっていませんか?

 筆者は職業柄、多くのセミナーや商談に参加する機会がありますが、そのほとんどが商品の話に終始してしまっています。持ち時間のほとんどが商品のスペックや機能などの話なのです。それではお客様をぐっと惹きつけることはできません。

 それは、お客様は「商品それ自体」には興味がないからです。お客様は、「商品それ自体」ではなく、その商品によって得られる「効果」が知りたいのです。つまり、みなさんの商品を買うことで、どんな風に自分たちの会社が良くなるのか、投資対効果が得られるかが知りたいのです。

 ポイント1でお伝えしたように、良いプレゼンにするには、「すべてを聞き手都合にする」ことが大切です。終始一貫、自分が伝えたいことではなく、相手が知りたいことを伝えなければなりません。

 前回筆者は、沖縄のクライアント企業の営業マンに同行し、地元の製造業A社にインターネットセキュリティのソリューションを提案しに行きました。そのときも、実は商品の話は商談時間の2割ほどしかしていません。例えば、A社の社長さんから「セキュリティ対策、どうしたらいいの?」という質問が出ましたが、このときも、「このように対策するのが良いです」とお答えするだけでなく、この商材を最近使い始めたある会社の女性経営者が、ネットバンキングによる不正送金を誘う悪質なフィッシング詐欺に引っかからずに済んだという事例を挙げ、『導入して本当に良かったわ』というコメントをいただいたということを伝えました。

 このようにすると、商品の導入効果を示す具体的な証拠になり、より信頼性の高い情報として伝わるようになります。

 さらに説得力をもって効果を伝えるには、客観的な数字を示すことです。みなさんの商品を導入する前と後で、どのような変化があったかを数字で伝えるのです。さらに、他社の商品と比較して優れていることも同時に数字で示せれば、なお説得力は増します。

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