パブリッククラウドの活用を進めていくと、必然的にハイブリッドクラウドの構成になる。ガリバーインターナショナルと日本通運もそうしたユーザー企業だ。ハイブリッドクラウドの構築時に、データ連携と監視運用で“壁”に直面した。その乗り越え方を見ていこう。
「あるシステムをAWSに移行した際、画面の生成ができなくなるトラブルがあった。オンプレミス環境に残るシステムとのデータ連携がうまくいっていなかったのが原因だった」。ガリバーインターナショナル(以下、ガリバー)の月島 学氏(ITチーム)は言う(図1左)。
同社は2013年、業務システムのインフラ刷新を開始した。オンプレミス環境からパブリッククラウド「Amazon Web Services」(AWS)への全面移行だ。2015年9月時点で約8割のシステムを移行完了。現在の運用形態は、ある業務システムはオンプレミス環境で、別の業務システムはAWSで動くという“ハイブリッドクラウド”になっている。多くの業務システムで他システムとのデータ連携が必要なため、オンプレミス環境で動く業務システムとAWSで動く業務システムが協調動作し、ガリバーの業務を支えている。