近く、Windows 10の「機能アップデート」が実施される。機能アップデートは毎年2回のペースで行われる大型アップデートで、次の名称は「October 2018 Update」。コード名は「Redstone 5(RS5)」だ。ちなみに最新の機能アップデート「April 2018 Update」のコード名は「Redstone 4(RS4)」である。

 ここでは、RS5における主な新機能と機能強化について見ていく。

Redstoneシリーズは今回で最後

 機能アップデートは正式な配布開始前に、「Windows Insider Program」の参加者向けにプレビュー版が配布される。プレビュー版には「ビルド番号」が付く。ビルド番号とは開発中に作られる評価用のバージョンである。Windows 10の場合は毎日ビルドが作られ、評価されたのち、ある程度の実用に耐えるものだけがプレビュー版として公開される。このためプレビュー版の公開は不規則で、番号も飛び飛びとなる。原稿執筆時点での最新ビルド番号は17763である。

 機能アップデートは、3年周期でシリーズが変更される。これまで、最初のバージョンを含むThresholdシリーズと、2016年からのRedstoneシリーズの2つが展開された。米マイクロソフトによれば、シリーズはWindows 10のLTSC(Long-Term Servicing Channel)エディションと連動しており、2019年には新しいシリーズに切り替わる予定だ。LTSCとは、パソコンのように頻繁にOSを更新できない専用システム向けの更新サイクルである。RS5は、Redstoneシリーズの最後の機能アップデートになる。

 今回のRS5では、2017年頃から評価が続いていた「Sets」(仮称)という機能の搭載が断念された。Setsは、同じ作業に属する複数のアプリケーションウィンドウをタブ形式で1つのウィンドウにまとめる機能。Windows Timelineなどと並ぶ大型機能として、プレビュー版で評価されてきた。

 このSetsが見送りとなったため、Windows Timelineなどが新たに搭載されたRS4に比べると、比較的小さなアップデートのように見えてしまう。ただし機能アップデートでは内部の改修や、従来の機能をUWP(ユニバーサル Windows プラットフォーム:様々なデバイスに対応可能なアプリケーション実行環境)に合わせるといった変更が施されており、Windows 10自体の改良が小さいわけではない。

 RS5の主要な追加機能には、以下のようなものがある。

  • クラウドクリップボード
  • Your Phoneアプリケーション(同期電話アプリケーション)
  • NetAdapterCx
  • 時間精度の改良
  • メモ帳がCR-LF以外の行末記号に対応

 このほか、WebブラウザーのMicrosoft Edgeや設定アプリケーションの改良は常に実施されている。

 Windows 10は現在、新しいデザイン原則「Fluent Design」に移行中で、標準搭載のアプリケーションや機能などについてもGUIの改良を進めている。ただしFluent Designへの変更は、純粋に見た目の話であるため本稿で扱わない。

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