「『Sharing Success』は営業手法の幅を広げる場です。自分の“武器”を増やすイメージで聞いて下さい」――。

 2019年2月某日の夕方、NTTコミュニケーションズ(以下、NTTコム)の田町ビル21階にある「WOR-X BASE」に集まった60人を前に、第二営業本部企画部門担当課長の徳田泰幸氏はこう切り出した。Sharing Successは、“営業担当者のどの行動や言動が受注確度を高められたのか”を具体的に説明する「情報共有会」である。徳田氏が運営役を務めるこの会合は2017年度に始まり、この日で通算7回目を数える。

2019年2月に開催した「Sharing Success」
2019年2月に開催した「Sharing Success」
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Sharing Successで話すNTTコミュニケーションズ第二営業本部ICTサービス営業部門担当部長の上田幸宏氏(右)と同本部企画部門担当課長の徳田泰幸氏
Sharing Successで話すNTTコミュニケーションズ第二営業本部ICTサービス営業部門担当部長の上田幸宏氏(右)と同本部企画部門担当課長の徳田泰幸氏
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 この日は第二営業本部ICTサービス営業部門担当部長の上田幸宏氏を招き、経験に基づいた成功の秘訣を共有した。まずは「お客様の課題をどう知るの?」「どうやってお客様の会社で人脈を広げているの?」といった徳田氏の質問に答えるかたちで、上田氏自身の仕事の取り組み方やお客様との関係の築き方を紹介していく。

 徳田氏の「誰でも発言できる場にする」演出よって、参加者は一方的に話を聞くだけでなく、積極的に質問や意見を述べられる。上田氏が担当する企業への営業活動で使った「課題構造化シート」(第二営業本部独自で共有している業務用テンプレート)の実物をスクリーンに映して説明すると、即座に参加者から「この資料はどなたと協力して作ったのでしょう」と質問が飛んできた。

 60分の予定を上回る“熱い”情報共有は、最後に徳田氏が課題構造化シートの改訂版を紹介し、この日の議論を総括して終了した。

 NTTコム第二営業本部は2017年から、営業現場の業務を組織的に変革し、営業範囲の拡大と営業スキルの成長を促す「セールスイネーブルメント」に取り組んでいる。その一貫で運営してきたSharing Successについて徳田氏は、「だいぶ定着してきた」と手ごたえを話す。

NTTコミュニケーションズ第二営業本部企画部門担当課長の徳田泰幸氏
NTTコミュニケーションズ第二営業本部企画部門担当課長の徳田泰幸氏
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3次元での営業担当者の成長を促す

 NTTコムで新規顧客開拓の役割を担う第二営業本部が営業現場の改革に乗り出した背景にあるのが、同社を取り巻くビジネス環境の変化である。営業担当者は顧客企業の経営課題の解決を図り、事業部門と話をして新ビジネスを提案するといったアプローチが求められるようになった。かつての「通信サービス」を企業のシステム部門に展開するという営業スタイルだけでは成長を見込めなくなってきたのだ。

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