第3回と第4回ではM2M/IoTを後押しする「コスト削減」と「最適化」について、主に技術や標準化の側面から詳しく解説する。第3回は「共通プラットフォーム」「書き換え可能SIM」という二つのジャンルの技術に着目する。M2M/IoTのサービスプラットフォームを共通化し、コスト削減とともにデータの再利用による新ビジネスの創出を目指す「oneM2M」については関係者の間では評価が分かれている。

共通プラットフォーム(oneM2M)支持の拡大がポイントに

 多様な業界で求められるM2M/IoTのサービスプラットフォームを共通化し、コスト削減とともにデータの再利用による新ビジネスの創出を目指すoneM2M。2014年8月にようやく初版(2014年8月版パッケージ、Aubergineと呼ばれる)を打ち出した。アーキテクチャーや要求条件、プロトコル要求条件など9つの文書によって構成される。

 oneM2Mのアーキテクチャーの特徴は、大きくアプリケーション(AE: Application Entity)、共通プラットフォーム(CSE: Common Service Entity)、ネットワークサービス(NSE: Network Service Entity)という3つのレイヤーとそれぞれを結ぶ参照点を定義したこと。業界で横断的に使われる「アプリケーション管理」や「発見」、「通信管理/配布機能」といった12個のプラットフォーム機能(Common Service Function)を定めた(図1)。oneM2Mの標準化対象はこの共通プラットフォーム部分がメインで、アプリケーションやネットワークサービスなどの種類は問わない。

図1●oneM2Mのアーキテクチャー
図1●oneM2Mのアーキテクチャー
業界を問わず利用する汎用的な機能を12個ピックアップ。共通プラットフォームとして用意したのが最大の特徴だ。図中のMcaやMcnは参照インタフェースの名称。
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 この共通プラットフォーム機能を、例えばヘルスケア業界のプレーヤーやエネルギー業界のプレーヤーが共通に利用し、データを流通する基盤として互いに使っていこうというのが、oneM2Mが目指す世界観である。

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