ITproで記事を公開すると、Twitterなどから読者の皆さんからの意見を即座に聞けるようになった。一つひとつに返信してはいないものの、筆者が担当した記事への反応はもちろん、他の記者が執筆した記事への感想にも目を通し、記事を書く上での参考にしている。
最近、読者の皆さんからの書き込みを読んでいて思ったことがある。「IT業界」「エンタープライズ系」といった言葉は、読者によって受け取り方が異なる、ということだ。
きっかけは半年ほど前に執筆した「エンタープライズ系にとってネット系は異世界のままか」という記事だ。この記事に対する読者の反応の中に、以下の様なものがあった。
- そもそもエンタープライズ系とネット系という区分が存在するのか?
「エンタープライズ系」という言葉については、ITproの読者であれば伝わるものだと思っていたが、必ずしもそうではなかったようだ。一応、先の記事中でも定義していたのだが、それでもピンとこないほど馴染みの薄い読者もいるのだと理解した。
また、木村岳史編集委員の書いた記事、「IT業界の人月商売、多重下請けがもたらす45の害毒」では、こんな読者からの反応があった。
- 「SIer=IT業界」という前提なのか?
- ネット企業ってIT業界じゃないんだ。ならSI業界って言えばいいのに
「IT業界」という言葉がどこまでの範囲を指すのか。これも読者によって受け取り方が異なるようだ。よい機会なので、今回の「記者の眼」では「エンタープライズ系」「ネット系」「IT業界」という言葉について整理してみたい。