米Appleは米国での訴訟に続き、中国でも米Qualcommを相手取って訴訟を起こした。中国の裁判所が公開した資料から分かったと、米Qualcommが現地時間2017年1月25日に発表した。

 Appleは先週、Qualcommが半導体のライセンス料を過剰請求しているほか、リベートの支払いを保留していると主張し、米連邦地方裁判所にQualcommを提訴した(関連記事:今度はAppleがQualcommを提訴、10億ドルのリベート支払いを要求か)。

 またこれに先立ち、米連邦取引委員会(FTC)もQualcommが半導体のライセンス供与で反競争的手法を用いているとして同社を提訴している(関連記事:Qualcomm、競争阻害の疑いでFTCが提訴 Appleとも排他的契約か)。

 Appleは今回、Qualcommが中国の独占禁止法に違反し、標準必須特許に関して不公正なライセンス契約を強要しているとして2件の訴訟を申し立てた。

 QualcommのDon Rosenberg執行副社長兼法務顧問は「まだ訴状を確認していない」とした上で、「Appleによるこれら訴訟は、Qualcommへの技術使用料を減らそうとする試みの一環だ。Appleに対するライセンス条件は、100社以上の中国企業が受け入れている条件と一致している。これら条件は、中国国家発展改革委員会(NDRC)が承認した改正プランに沿ったものだ」と反論した。

 米Wall Street Journal(閲覧には有料登録が必要)や米AppleInsiderの情報によると、Appleは1月23日に北京知的財産法院に訴状を提出。Qualcommに対して10億人民元(約1億4530万ドル)の損害賠償と不公正なライセンス供与の中止を命じるよう求めているという。

 Qualcommは以前にも中国で1年以上にわたる独占禁止法違反の調査を受け、2015年2月に60億8800万人民元の罰金支払いと改正プランの履行などを条件にNDRCと和解した(関連記事:Qualcomm、罰金9億7500万ドルで中国独占禁止当局と和解)。

 また、2016年12月には韓国の独占禁止当局から1兆300億ウオンの制裁金の支払いを命じられ、欧州と台湾でも調査を受けている。

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