中国Baidu(百度)は近いうちに自動運転車の走行テストを米国で開始するつもりだと、米Wall Street Journalをはじめとする米メディア(米The Vergeなど)が報じた。BaiduのAndrew Ngチーフサイエンティストが現地時間2016年3月15日の遅い時間に明らかにしたという。

 BaiduはドイツBMWとの提携のもと、「BMW 3シリーズ」を改良した自動運転車のプロトタイプを開発。中国の北京で試験走行を行い、「変化に富んだ道路および環境条件でのテストを完了した」と昨年12月に発表した(関連記事:百度が自動運転車の試験走行を完了、公共輸送向け)。

 Baiduは、一定のルートで100%自律走行する車の開発に取り組んでいる。個人向けの乗用車ではなく、シャトルバスのような公共輸送車として2018年末までの実用化を目指している。

 Ng氏は、米スタンフォード大学でコンピュータサイエンスの教壇に立ち、かつて米Googleのディープラーニングプロジェクトにも関わったことがある。Baiduが2014年に米カリフォルニア州サニーベールに人工知能(AI)研究開発センターを開設した際、同社の米中研究拠点を統括する責任者として迎えられた(関連記事:中国百度、シリコンバレーにAI研究開発センターを開設)。

 米上院通商・科学・交通委員会では3月15日に公聴会が開かれ、同様に自動運転車開発プロジェクトを進めているGoogleや、米大手自動車メーカーGeneral Motors、英自動車部品メーカーDelphi Automotiveなどの幹部が出席し、自動運転車実用に向けた法整備を呼びかけた。Ng氏は公聴会を欠席したが、事前にインフラの改善を訴える陳述書を公開していた。