中国Baidu(百度)が開発を進めている自動運転車のプロトタイプが、変化に富んだ道路および環境条件での試験走行を完了した。同社が現地時間2015年12月9日に発表したと、複数の米メディア(BloombergThe VergeWIREDなど)が伝えている。

 プロトタイプ車両は、ドイツBMWの「BMW 3シリーズ」を改良し、レーダーやセンサー、マッピングおよびディープラーニング技術を組み込んでいる。車のトランクに小型サーバーを積み、自社開発したソフトウエア「Baidu AutoBrain」を用いる。

 テストでは、北京周辺を18.6マイル(30km)走行し、Uターンや右折/左折、車線変更、合流といった操作を行った。一般道に加え、制限速度が時速100kmの高速道路も走った。

 Baiduは、一定のルートで100%自律走行する車の開発を目指している。個人向けの乗用車ではなく、シャトルバスのような公共輸送車として3年以内に実用化したい考え。

 Baiduの自動運転車開発プロジェクトには、米スタンフォード大学コンピュータサイエンス教授のAndrew Ng氏が参加している。Ng氏はかつて米Googleのディープラーニングプロジェクトにも関わったことがあり、Baiduが昨年、米カリフォルニア州サニーベールに人工知能(AI)研究開発センターを開設した際、同社の米中研究拠点を統括するチーフサイエンティストとして迎えられた(関連記事:中国百度、シリコンバレーにAI研究開発センターを開設)。

 一方、自動運転車の開発で先行する米Googleは、自社開発したプロトタイプ車による公道テストを拡大し(関連記事:Google自社開発の自動運転プロトタイプ車、テキサスでも公道テスト)、開発プロジェクトの責任者に、米Ford Mortorや韓国Hyundai Motorで幹部を務めたJohn Krafcik氏を迎えることを9月に発表している(関連記事:Google、自動運転車開発プロジェクトのCEOに業界ベテランを任命)。

 米Appleも自動運転車を開発中と報じられているほか(関連記事:Apple、米西海岸で自動運転車の走行試験開始か)、韓国Samsung Electronicsは今週、車載インフォテインメントや自動運転技術に焦点を当てた自動車部品関連部門を新たに立ち上げる計画を発表した(関連記事:Samsung、自動車関連部門を設立へ、新たな成長事業に注力)。