ネットワンシステムズは2016年1月8日、横浜国立大学の全事務職員約400人が利用するVDI(デスクトップ仮想化)システムを構築したと発表した()。新システムは2015年10月から稼働している。従来はネットブート方式(端末の起動時にOSとアプリケーションをサーバーからダウンロードして端末側で実行する方式)で運用していたが、VDIに切り替えた。これにより、クライアントOSを端末側で実行することに起因するセキュリティや運用負荷の問題を軽減させた。

図●横浜国立大学のVDIシステムの概要
図●横浜国立大学のVDIシステムの概要
(出所:ネットワンシステムズ)
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 横浜国立大学は、仮想デスクトップによって、セキュリティの強化と運用コストの削減を図った。セキュリティ面では、業務データを共有ストレージで集中管理できるようになったことから、情報漏えいのリスクが減った。運用面では、デスクトップ環境を高速に起動できるようになったほか、一つのマスターイメージを複数ユーザーで共用するリンククローン方式の採用などによって運用負荷が減った。

 セキュリティ対策には、不正アクセス対策やウイルス対策などの機能を兼ね備えたソフト「Trend Micro Deep Security」(TMDS)を採用した(関連記事:トレンドマイクロ、VMware連携を強化したホスト型ファイアウォールを発表)。個々の仮想デスクトップにエージェントをインストールすることなく利用できる。仮想デスクトップごとにパターンファイルを更新するといった運用が要らない。

 VDIのサーバー環境には、サーバー機やストレージ機器をセットにしてラックの形状にまとめた事前検証済みのパッケージ「EMC VSPEX」を採用した。VDIソフトは「VMware Horizon View」で、シンクライアント端末はVMware Horizon View専用のディスプレイ一体型製品「ELSA VIXEL LDZ230」を採用した(関連記事:エルザ、PCoIPシンクライアントにディスプレイ一体型モデルを追加)。