トレンドマイクロは2011年11月7日、サーバー環境を含むマルチプラットフォーム環境で動作するホスト型ファイアウオール・ソフトの新版「Trend Micro Deep Security 8.0」(TMDS)を発表した。同年12月19日に販売・出荷する。新版ではVMware環境の改ざん検知をエージェントレスで実施できるようにした。

 TMDSは、マシンにインストールして不正アクセスやデータの改ざんなどの攻撃から防御する、ホスト型のファイアウオール・ソフトである。管理対象に応じて、エージェント版と仮想アプライアンス版を用意している。エージェント版は、サーバーOSを含む各種Windowsや各種Linuxの上で動作する。一方、仮想アプライアンス版は、VMware vSphereと連携し、仮想サーバーをエージェントレスで防御する。

 今回の新版では、仮想アプライアンス版の機能を強化した。具体的には、VMware vSphereの有償プラグイン機能である「VMware vShield Endpoint」のAPIを利用して、VMware仮想サーバー上のデータの改ざんをエージェントレスで検知/防御できるようにした。従来、エージェントレスで利用できるセキュリティ機能は、VMware vSphereの標準機能であるVMSafe APIを使った不正アクセスの検知/防御に限られていた。

 今回のVMware連携の強化に合わせ、トレンドマイクロが2011年12月をめどに、VMware vShield Endpointのリセール販売を開始する予定。価格は検討中であり、後日発表するという。なお、米VMwareのWebサイトにおける同プラグインの価格は、仮想サーバー25台で1513ドルから。

 TMDSの価格(税別)は、以下の通り。

 エージェント版(最低購入数は5ライセンス)は、(1)「Trend Micro Deep Security Standard」(脆弱性対策、ファイアウオール、ファイルやレジストリなどの変更監視、セキュリティログ監視)が17万9000円、(2)Standardにウイルス対策機能を追加した「同Advance」が21万3500円、(3)機能を脆弱性対策とファイアウオールに限定した「同Virtual Patch」が12万5300円、(4)機能をファイルやレジストリなどの変更監視とセキュリティログ監視に限定した「同PCI DSS」が10万7400円。

 仮想アプライアンス版は、(1)「Trend Micro Deep Security Virtual Appliance Standard」(脆弱性対策、ファイアウオール、ファイルの変更監視)が33万円、(2)Standardにウイルス対策機能を追加した「同Advance」が40万円、(3)機能をウイルス対策に限定した「同Anti Virus」が16万円。

 なお、システム構成上、エージェントや仮想アプライアンスと通信してTMDS環境全体を管理するマネージャソフト「Deep Securityマネージャ」が必要になる。同ソフトは、エージェント版か仮想アプライアンス版のいずれかを購入すると、無償で添付される。マネージャの稼働OSは、Windows Server 2003/2008、Red Hat Enterprise Linux 5/6。