トレンドマイクロは現地時間2015年10月21日、米Hewlett-Packard(HP)傘下のセキュリティ事業である米TippingPointを約3億ドルで買収することで最終合意に達したと発表した。年内に手続きを完了する見通し。

 TippingPointは次世代侵入防止システムと関連のネットワークセキュリティ製品を手がけており、トレンドマイクロは同社のセキュリティ技術や知的財産、専門知識を持つ人材、多数の優良顧客を獲得する。

 TippingPointは2004年に約4億3000万ドルで米3Comに買収され、2009年にHPが3Comを約27億ドルで買収した際、HP傘下となっていた(関連記事:HP,3Comを約27億ドルで買収へ,統合データ・センター戦略を推進)。

 トレンドマイクロはTippingPoint買収により、エンドポイントから、ネットワーク、データセンター、クラウドにわたるダイナミックな脅威防御ソリューションを提供する企業向けセキュリティプロバイダーとしての地位確立を図る。既存の能力と同買収で獲得する能力を統合したNetwork Defense部門を新設し、3500社以上の顧客にサービスを提供する。

 トレンドマイクロとTippingPointは2014年から戦略的提携を結んでおり、トレンドマイクロはTippingPoint買収後もHPとの協力関係を続ける。再販、マネージドサービス、OEMのほか、セキュリティインテリジェンス、アプリケーションセキュリティやデータセキュリティなどに関して戦略的提携関係を構築するとしている。

 なお、HPは分社化の手続きを11月1日に完了する見通しで、11月以降は法人向け事業部門を引き継ぐ「Hewlett Packard Enterprise」(HPE)と、パソコンおよびプリンター事業部門を引き継ぐ「HP Inc.」がそれぞれ独立した公開企業として運営される(関連記事:HP、取締役会が分社化を承認、11月1日に手続き完了へ)。HPが分社化に向けてTippingPointの売却先を探しているとの噂は、9月に報じられていた(米InfoWorldの情報)。

[発表資料へ]