米Hewlett-Packard(HP)は米国時間2009年11月11日,米3Comを買収することで両社が最終合意に達したと発表した。買収額は約27億ドルで,手続きは2010年前半に完了する見通し。この買収により,HPは自社のEthernetスイッチング製品を拡充し,サーバー,ストレージ,ネットワークと管理および設備サービスを統合したデータ・センター戦略を推進したい考え。

 HPは3Comを通じて,急成長市場である中国での地歩拡大を目指す。中国における調査開発チームを増強し,ネットワーキング・ソリューションの開発促進を図る。さらに,3Comが2005年1月に買収した米TippingPoint(関連記事:米3Com,IPSベンダーの米TippingPointを約4億3000万ドルで買収)のIPS製品を取得することで,ネットワーク・セキュリティ事業の強化も進める。

 合意条件のもと,3Comの株主は3Com株式1株につき7.90ドルを受け取る。同買収案については,両社の取締役会が承認済みという。米メディアの報道(New York Times)によると,この買収額は同日の終値より約39%高い。買収計画発表後の時間外取引で,3Comの株価は約30%上昇し,7.65ドルを付けた。

 またHPは,2009会計年度第4四半期(2009年8~10月)の業績速報を明らかにし,今後の業績見通しの上方修正を発表した。

 第4四半期は,売上高(速報値)が前年同期比8%減の308億ドルで,会計原則(GAAP)ベースの希薄化後1株当たり利益(速報値)が0.99ドル,非GAAPベースでは1.14ドルとなる見込み。前年同期の希薄化後1株当たり利益はGAAPベースで0.84ドル,非GAAPベースで1.03ドルだった。

 2010会計年度第1四半期(2009年11月~2010年1月)の業績見通しは,売上高が296億~299億ドルの範囲,GAAPベースの希薄化後1株当たり利益が0.90~0.92ドル,非GAAPベースで1.03~1.05ドルと予測する。2010会計年度通期(2009年11月~2010年10月)については,売上高を従来予測の1170億~1180億ドルから1180億~1190億ドルに引き上げる。希薄化後1株当たり利益はGAAPベースで3.65~3.75ドル,非GAAPベースで4.25~4.35ドルの範囲を見込む。従来予測はそれぞれ3.60~3.70ドル,4.20~4.30ドルだった。

[発表資料(1)]
[発表資料(2)]