写真1●米3DロボティクスのクアッドコプターにEdisonモジュールを搭載した。下部のカメラの映像から赤色の物体を検出するアプリケーションのデモを見せた
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写真2●3Dロボティクスが開発中の次世代コントローラの基板。Edisonの搭載によって画像認識に基づく自動操縦などの実現を目指す
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写真3●米アリゾナ大学が開発した6足歩行ロボットのコントローラとして、パソコンの代わりにEdisonを利用した
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写真4●ぷらっとホームはEdisonを内蔵する超小型サーバー「OpenBlocks IoT BX1」を出展した
写真4●ぷらっとホームはEdisonを内蔵する超小型サーバー「OpenBlocks IoT BX1」を出展した
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 インテルは2014年10月15~17日に東京ビッグサイトで開催中の「ITpro EXPO 2014」において、パートナー企業とともにEdisonの活用例を提案している。ドローンの自動操縦機能への応用や、IoT(Internet of Things)のゲートウエイ端末としての利用などだ。

 同社は、組み込み機器の開発に利用できる切手大のコンピュータ「Edison」を2014年10月25日に国内で発売すると10月15日に発表している。

 Edisonは、米インテルが2014年9月に発表した組み込み機器開発用プラットフォーム。35.5mm×25.0mmの基板である「Edisonモジュール」単体と、Edisonモジュールと開発用基板を組み合わせたキット2種「Edisonキット For Arduino」「Edison Breakoutボードキット」を販売する。

 Edisonモジュールの特徴は、切手大の小型基板ながら無線接続対応の高性能なコンピュータとして利用できること。500MHzで動作するAtomコアを2個と100MHzで動作するQuarkコアを備えたSoC(System on a Chip)、1GバイトのLPDDR3メモリー、4Gバイトのフラッシュメモリー、無線LANおよびBluetoothの通信モジュールを搭載する。インテルはAtomコア部分のOSとしてYocto Linux v1.6を提供する。ソフトウエア開発環境としてはArduino IDE、Eclipse(C/C++およびPythonに対応)、Intel XDK(Node.jsとHTML5に対応)を利用可能だ。

 インテルがITpro EXPO 2014で紹介したEdisonの活用例の一つが、ドローンへの搭載である。米3DロボティクスのクアッドコプターにEdisonモジュールを搭載し、カメラ映像から物体を検出するデモを見せた(写真1)。3Dロボティクスは現在、既存の飛行制御コントローラにEdisonモジュールを付加した次世代コントローラの開発を進めているという(写真2)。画像認識などに基づく自動操縦や設備点検などのアプリケーションにEdisonを利用する。

 ロボットのコントローラとしてEdisonを使う例も紹介している。米アリゾナ大学が研究プロジェクトとして開発した6足歩行ロボット「Hexapod」にEdisonを搭載した。Hexapodの姿勢や動作を計算してモータを制御するコントローラに従来はパソコンを用いていたが、それをEdisonモジュールに置き換えた(写真3)。「機体の制御や外部との無線通信といったパソコンと同じ処理を、20分の1の大きさで実現できた」(インテルの説明員)。

 ぷらっとホームはインテルの展示ブースで、Edisonを内蔵する超小型サーバー「OpenBlocks IoT BX1」を紹介した(写真4、関連記事:ぷらっとホーム、Intel Edisonを採用した超小型サーバー「OpenBlocks IoTファミリ」を発表)。Edisonモジュールに加えて、3G通信モジュール、USB 2.0端子などを搭載した。2015年2月の発売を予定しており、センサー情報を集約してサーバーに送信するIoTゲートウエイとしての利用を想定する。

 IoTゲートウエイとしての利用を想定したEdison搭載の小型コンピュータとしては、インテル自身も「Eaglet」と呼ぶ試作機を出展している(関連記事:菓子のケースがLinuxコンピュータに、超小型デバイスをインテルが試作)。

 なおEdisonは、ITpro EXPO AWARD 2014の大賞を受賞している(関連記事:ITpro EXPO AWARD 2014、大賞にはインテルの「Edison」)。