この連載では、2015年12月に始まったストレスチェック制度に関連して、NPO法人ITスキル研究フォーラム(iSRF)がITエンジニアを対象に実施したストレスに関する実態調査の結果を紹介している。

 第1回(最大のストレス要因は対人関係よりも「仕事の負担」、同僚のサポートを得られず)ではストレスチェック制度の概要やIT職種におけるストレス要因、ストレス反応の状況、個人へのサポートの有無の傾向について、第2回(ITエンジニアが「高ストレス者」になる割合は平均の約2倍)では職業性ストレスモデルと、それに基づくストレス区分、高ストレス者の状況について説明した。

 第3回からは高ストレスになる個人的要因を取り上げている。第3回(ストレスに弱いITエンジニア、ベテランほど感情が不安定に)ではストレス耐性を、第4回(従順度が高く、対人関係調整力が低い人ほど高ストレスになりやすい)ではパーソナリティ(個人の性格)を取り上げた。

 今回は高ストレスになる個人的要因の三つめとして、モチベーション(やる気)に焦点を当てる。

無視できないモチベーションとストレスの関係

 本人が高いモチベーションを保っている場合は、たとえ労働が過重であってもストレスをあまり感じないものだ。これに対し、モチベーションが低い、会社・組織の方針に納得がいかない、といった場合は、同じ仕事量でもストレスを感じやすくなる。

 ただ、モチベーションが高くてストレスを感じていなければ、身体や心に全く影響がないかというと、必ずしもそうは言い切れない。モチベーションにかかわらず、働き過ぎは身体が疲弊する要因となる。メンタルにも影響してくる可能性があるので、適度な息抜きや休養は欠かせない。